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2016-10-28 00:00
(連載1)次期国連事務総長グテレス氏は人道主義を貫けるか
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
次期国連事務総長に、元ポルトガル首相のアントニオ・グテレス前国連難民高等弁務官が任命された。これまでの5回の予備投票でもグテレス氏が他を圧倒していたので、彼以外の選択は難しい状況だった。6回目の予備投票では、さらに明確な差をつけた。国連事務総長選挙では、多くの支持を得ることだけではダメで、拒否権を持っている安保理の5常任理事国の1カ国からも不支持をもらわないことが重要だ。これは最後の段階では大きな問題になる。特に、アメリカ、ロシア、中国は国際政治の絡みから不支持を表明することができる。
今回のグテレス氏の任命においても、ロシアと中国の意向は注目された。ロシアは、今回は旧東欧出身の国連事務総長を希望していた。実際に予備投票では、旧東欧出身の女性の候補者が有利とみられていた。そこでユネスコ事務局長のボコヴァ氏などが注目を浴びていた。それだけにロシアがあっさりとグテレス氏にOKを出すとは思われていなかった。多少条件をつけながら、圧力をかけた後の「渋々」の了承となるのではないかと思われた。
またグテレス氏は前国連難民高等弁務官であり、10年にわたって難民支援の活動を行ってきた。人道主義的活動家としても知られる。これは国際的には高い評価となるが、ロシアや中国は人権問題における国連の介入が増える可能性を危惧する。拒否権を持っているだけに、こうした国の一つでも「ノー」といえば、次の候補者からの選出しかなくなる。
危ぶむ声もあったが、結局、5常任理事国すべてが支持となった。5常任理事国すべてが支持しているのはグテレス氏だけである。難民問題は非常に難しい問題となっている。厳しい交渉が必要だ。それだけにグテレス氏のバランスのとれた交渉能力が評価されたものと思われる。ロシアや中国にとっても「話が分かる」国際人としてグテレス氏を捉えたのだろう。(つづく)
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