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2016-10-25 00:00
バチカンへの対応からみる何でもありの中国外交
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
英国は、逡巡の末、フランス電力公社(EDF)中国企業共同事業の英の南西部ヒンクリーポイントの原子力発電所建設を認めた。比のドゥテルテ大統領は、今次訪中で大歓迎を受け、総額2兆5千億円の経済援助を取り付け帰国した。もっとも、同大統領は帰国後、対米関係を基本的に大きく変えるつもりはないと釈明している。同大統領の作戦勝ちとみるか中国の手のひらに載ったと取るか、今後の情勢を慎重に見ていく必要があろう。比はアジア最大のカトリック国だが、米国筋からの気になるニュースは、中国とバチカンの動きだ。
ご存知の通り、今まで台湾を国家として承認していたアフリカ、中南米、太平洋の島国など小国23か国の一つだ。しかし、カトリック教徒12億のみならず、西側世界に精神面で強い影響力を持つ国だ。昨年、フランシス教皇は訪米して熱烈歓迎を受けたことは、ニュースで皆様ご存知だと思う。もともと、バチカンは、共産主義国として基本的に宗教を否定する中国には批判的だった。宗教活動の自由の束縛、政府の厳しい管理下に教会を置いていることや、神父などの聖職者や信者を気ままに逮捕するなどその弾圧を嫌っていた。しかしそうした状況下でも、バチカン・中国の双方で水面下でいろいろ協議は継続されていたようだ。
中国も、1997年の香港返還後もローマ教皇庁管区を残した。同香港支部を通じても関係改善への協議が続けられていたようだ。米国のネット情報では、近く中国が、バチカンの司教任命権を認める代わりに、関係改善を図るということのようだ。(その反対の、バチカンが特例として、中国に任命権を暗黙裡に認めるとの説もある。)2013年に現フランシス教皇になってから、こうした動きが強まってきたそうだ。ちなみに同教皇は欧州出身が多い歴代教皇の中で、初めての南米(アルゼンチン)出身の教皇だ。同じ非先進国、米国に首根っこを押さえられている者同士として、親近感があるのではとみる識者もいる。同ネット情報では、2014年の教皇の台湾訪問途次に、中国の上空を飛び、その際にお礼のメッセージを送り、それに習近平は答え、中国のキリスト教徒のシンボルである絹のプリントを返礼したとも伝えている。
生き残りをかけ、何でもありの今の中国外交の動きには目が離せない。万一、国交樹立などがおこなわれるならば、そのインパクトは、AIIBへの英を先頭に欧州勢が、日米の反対を押し切り参加したどころではない。米国の識者の一つの見方は、プロテスタント、特に福音派の中国での信者の増加、それに比べカトリック信者の伸びが少なく焦っているのではというものだ。ちなみに中国での全キリスト教徒の信者数は、中国政府公認の愛国教会と地下教会とあり定かではないが、数千万から1億人以上とも言われている。
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