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2016-09-23 00:00
シリアの停戦は平和の入り口なのか
川上 高司
拓殖大学教授
9月12日から、シリアでは7日間の停戦に入った。ケリー国務長官とラブロフ外相が何日もわたる交渉の末の合意でようやく実現した。この停戦期間中に、国連の人道支援が行われる。すでにトルコとシリアの国境には、支援物資を積んだ国連のトラック40台が列をなして、シリアに入るのを今か今かと待っている。支援物資の届け先であるアレッポ東部は反政府勢力が支配しているが、少なくとも25万人の一般市民が飢餓など深刻な人道的危機にあると言われている。
前回の停戦合意はあっという間に破綻して失敗に終わった。今回の停戦合意でも小競り合いが起こり、停戦合意の危うさを露呈している。だがこれまでとは違い、不気味な静かさがシリアを覆っている。その静けさが嵐の前触れなのか平和への入り口なのか、合意した7日間をすぎないとわからない。
シリア内戦の複雑さは、さまざまな武装グループが入り乱れていることにある。今回の停戦合意では、アルカイダとつながりのあるアル・ヌスラとISは攻撃対象とされている。アメリカは支援している反政府グループに対してアルカイダとのつながりがあるかないかをはっきりさせ、つながりのある部分を切り捨てるように圧力をかけた。アメリカの方針に対してアル・ヌスラはすぐさま組織名を変更するしたたかさを見せている。
これらの武装グループはサウジアラビアやトルコ、カタールなど周辺国の支援を受けている。一方でアサド政権はイランやレバノンのヒズボラからの支援を受けている。本格的な停戦を求めるならこれらの周辺国との合意も必要である。この停戦が7日間を越えて持続すればシリア内戦終結の希望を持つことができる。だが、前線では双方に緊張感といらだちが募っていて一触即発とも言われている。5年間の憎しみを越えてシリアが再び1つの国となるために、世界は何をすればいいのか。ケリー長官の闘いは続く。
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