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2016-09-17 00:00
(連載2)米中パリ協定批准をめぐって
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
地球温暖化防止のためには、温室効果ガスの削減が必要だ。これには3つのポイントがある。まずは削減目標の決定、その目標を守る義務化、できない場合の罰則である。まずは削減目標の決定は各国に任された。つまり低く設定することも高く設定することも可能なのだ。この目標値は公表されるので、あまりに低ければNGOなどが批判するだろうが、逆に言えばそれだけのことになる。
またこれはあくまで「目標」であり、目標値を守る義務は課せられていない。ここでも目標を守らなければ批判がくるということだが、それ以上のものはない。なんの罰則もない。つまり「各々が努力目標をたてて頑張りましょう」というものだ。これをどのようにして意味のあるものにできるのか。国際社会は次の展開も求められる。例えば、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)などが各国に削減値を提示し、目標値設定においてかなりの強制力を持たせるなどである。また目標を大きく達成できなかった場合には実質的罰則が課される仕組みも作る必要がある。
パリ協定でもう一つ重要なのは、2020年以降、毎年1000億ドルを超える資金が先進国から途上国の温暖化対策事業などの支援に投じられることになっていることだ。ここでも実際にどのように割り当てられるのか難しい課題もある。先進国や新興国の経済状況は大きく動いている。資金を出す方も受ける方も明確なルール作りが求められる。
この負担が大きくなるのではないかということで、先進国からはパリ協定の批准に慎重な声があった。日本にとってもこれが負担になる可能性はある。ただ、ここは発想の転換も必要だ。これだけ大きな資金が動くということは環境産業への追い風になるということだ。世界トップレベルの環境技術を持っている日本は、環境産業への投資という視点も入れて、これからの展開に対応すべきだ。環境ODAが進められているが、さらにこれを推進すべきだろう。日本の環境産業にとってはチャンスでもある。(おわり)
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