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2016-08-27 00:00
(連載1)問題多発でも未来があるブラジル
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
ブラジルのリオデジャネイロでオリンピックが開催された。競技は盛り上がったが、大会の運営や治安、環境においては深刻な問題が報道されている。まずはなんといっても治安の問題だ。すでに選手を含めた大会関係者が窃盗や盗難の被害に遭っている。在ブラジル日本大使館のHPで連邦直轄区と日本との犯罪発生率(人口10万人当たり)の比較が掲載されているが、それによると、殺人は約28倍、強姦は約25倍、歩行者強盗は実に約1500倍、自動車強盗は約1700倍、住宅強盗は約120倍となっている。
また経済の低迷から予算不足で、大会の運営にも支障がでている。海の環境汚染も報道されている。「ブラジルはやっぱりダメね」という雰囲気が伝わってくる。2014年くらいから天然資源などの価格が下落し、資源大国のブラジルの経済を直撃した。2014年のFIFAワールドカップの時点でもすでに問題が顕在化しており、教育・医療等の公共サービスの改善を求めるデモや集会が開かれた。あれから事態はさらに悪化した。政治的な混乱も問題をさらに深刻にさせた。石油会社のペトロブラスを舞台とした汚職問題が発覚し、政府の要人が逮捕される事態に陥った。
2015年3月以降、大規模なデモが全国で頻発した。ルセフ大統領の支持率は10%程度にまで落ち込み、ルセフ政権は国民からの信頼を失った。2015年10月には、財政悪化を隠蔽する目的で政府支出の一部を政府系金融機関に肩代わりさせる等の粉飾会計操作疑惑が発覚し、結局、ルセフ大統領は弾劾裁判を受ける状況になり停職となっている。リオオリンピックの開会式での開会宣言はテメル暫定大統領が行った。しかしこのテメル暫定大統領にも汚職疑惑があり、国民からの支持率も低迷している。
こうした状況下で、景気は依然として低迷したままだ。オリンピック後にはオリンピック予算の赤字が明らかになるのではないかといわれている。さらに混迷が予想されるのだ。しかし、このような状態でもブラジルには未来がある。ブラジルは未来の国なのだ。(つづく)
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