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2016-07-20 00:00
(連載2)イギリスのEU離脱について
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
むしろ、もっと可能性が高いのが、EU側の問題です。戦後二度とドイツとフランスが戦争をしないためという政治的な目的でスタートした欧州の連合ですが、統一ドイツとなってからは、ドイツの遠慮が弱まり、欧州危機以降完全になくなった状況に各国の不満が高まっていました。第二の経済大国でドイツをけん制できたイギリスが抜けることで、ドイツの存在感が今まで以上に大きくなります。このことがどう作用するのかは極めて不透明です。
またギリシア危機で露呈した、「金融政策と財政政策のねじれ」というユーロ圏の致命的な構造問題は全く解決されないまま先送りされてしまっています。事実上の政治統合に向かうのか、ばらばらに戻るのかの二択しかないこの問題は、実は極めて深刻です。
また一般的な傾向として自由や規制緩和を主張してきたイギリスが抜けることで、EUにおける様々な議論が規制強化の方向に振れることもビジネスとしては大きなリスクです。日本経済への影響を最小限に抑えるためには、こうした多くの可能性につき、きちんと検証し、対応を誤らないことが必要です。国内の経済政策がどうあるべきかも含め、参議院選挙後に徹底した議論が必要です。
そして、もう一点、実は日本の安全保障の観点から懸念されるのが、対中国武器禁輸問題です。対中国武器輸出に前のめりなフランス、ドイツを日米の意向を踏まえて抑えてきたイギリスが離脱すれば、EUは対中国武器輸出の解禁に舵を切る可能性が高い。こうした安全保障面での変化についても、日本として、きちんと動きを注視していかねばなりません。(おわり)
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