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2016-07-19 00:00
(連載1)イギリスのEU離脱について
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
イギリスの国民投票でのEU離脱という結果が、世界中で衝撃をもって受け止められ、ようやく市場も落ち着いてきたとはいえ、依然として大きな混乱を呼んでいます。国内への影響という意味では、今のところは主に為替のルートからの影響が大きい状況で、流動性の確保や急激な変動への対応を引き続きしっかりと行っていくということに尽きると思われます。
リーマンショックのようにどこに地雷が埋まっているかわからず、信用が急速に収縮するといった事態は今のところ起きそうにありませんので、何かあった時に速やかに対応できる備えは万全にしておかねばなりませんが、冷静さをもって対応してくことが重要です。そして、重要なのは中長期的な議論です。いったい何が変わり何が変わらないのか。離脱に向けたプロセス、離脱後のイギリスとEUの関係がどのようなものとなるのか、不透明の部分が大きいですが、現段階できちんとした分析と準備を行っておく必要があります。まず、イギリスの側の問題です。報道でもいろいろ指摘されていますが、実際どの程度の変化が生じるのかは不透明です。
そもそも、EUとヨーロッパは同一ではなく、スイスやノルウェーなど、EUに加盟していない国があり、それぞれの枠組みが混在している集合がヨーロッパであるという認識が必要です。もともと、イギリスはヨーロッパ第二の経済大国である一方で、EUの中でもユーロも採用せず、シェンゲン協定の枠外でもあり、EU的には中央ではなく周辺という存在でした。今回EUから離脱ということですが、実際にはどの程度の影響があるのか、日本で報道されているほどではない可能性もあります。
例えば、ロンドンが地盤沈下するという議論です。様々なEUサイドの規制がどうなるかという点は注目しなければなりませんが、そもそもユーロ圏ではなく、かつリサーチなどグローバル本社機能をロンドンに置いている世界的な金融機関が数多くあるということからも、ロンドンはEUビジネスの拠点としてだけで評価されてきたわけではありません。ニューヨークとの間で毎日20便が飛ぶロンドンと、5便のダブリン、4便しかないフランクフルトの差は想像以上に大きいという実態もあり、欧州ビジネスの機能を別拠点に移す動きはあっても、金融センターとしての機能自体が大陸に移る可能性は限られていると思われます。(つづく)
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