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2016-07-14 00:00
中国知識人による日本への見解の紹介
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
12日のオランダ・ハーグの仲裁裁判所の判決「中国の南シナ海での主張は、国連海洋法上の根拠がない」は、中国指導部へのインパクトは少なからぬものがあるだろう。来年秋と言われる党大会での第二期習近平人事にも影響するだろう。現在の常務委員のうち年齢的に残れるのは、習以外は首相の李克強だが、彼は一部では、全人代委員長へ左遷とも言われていたが、これでどうなるか注目される。国内の不満をなだめるため、対外的に、例えば日本へ強硬的に出てくるかも知れないとの見方もあるのはご存じのとおりだ。日本で最近行われた参議院選挙を見学に来た中国知識人と行動をともにしたので、彼らの日本への見方の一部をここに披露し、皆様のご参考としたい。勿論、中国人特有のリップ・サービス的な言葉も多いが、本音も伺われる。
まず、「日本のクリーンで機能的な生活空間は、うらやましい限りだ。店員のみならず一般の人々の我々への対応も丁寧で親切だ。コンビニなどで見かけた、中国の若者のアルバイトもつられてマナーが良くなっている。一番の印象は、日本の若者が生き生きとしていることだ。選挙運動の手伝いのみならず、投票所、集票作業などで、ボランティアが良く動いている。選挙で、安倍首相が、政権の功績の一つとして、求人倍率の上昇を挙げていたが、これは大変な功績だ。我が国も大いに学ばなければならない.訪中の日本人からよく『最近の日本の若者は、無気力で、働かない』とさんざん聞かされてきたが、正反対だ」、「中国で、日本のような選挙の実施がいつできるかを考えると暗たんたる思いだ。しかし、いつかはやらねばならない。その際は、日本を一つの模範としたい。選挙をやらねば、政権指導者も正当性を保持できず、いつも一般人民の強硬意見への対応に追われる。勿論、民主主義のネガティブな面も考慮が必要だ。日本で、少子化のなかで政府が保育園を作ろうとすると、住民が子供の声がうるさい、不動産の価格が下がるなど、言いたい放題だと聞く。こうした、権利ばかり主張する動きは、途上国、後進国でも同じだ」との発言があった。
他に、「書店に反中国の本も並んでいたが、一方、私が改めて感銘を受けたのは、論語を始め中国古典や中国文明を記述した専門書のみならず、一般書が多く並んでいたことだ。欧米でも書店を訪ねたが、全く違う。ただ、エキゾチックな面からの本が多い。中国は、経済では世界第2位になり、少し実力をつけたともいえるが、ソフト面ではまだまっだ世界から認められていないことが分かる。世界に認められる映画を製作提供することも一つだと思う。米のハリウッドの映画製作方法は、良く学ばなければならない。中国の対外援助についても、日本などの先進諸国の苦労を学習することが必要だ。一方、途上国のリーダーたちは、往々にして、自分の任期中の短期間のインフラ整備などを求める。先進国のように、環境への配慮、諸々の下準備、まどろこしい申請方法では、要求に応じられないことが多い。この面では、労働者を中国から連れてきての突貫工事も感謝されているのだ」との発言もあった。
最後に、「唐詩にあるがごとく『相見る時難(かた)く、別かるるもまた難(かた)し、東風力無く、百花残(くず)』中国、日本とも、我々東方国家はまだパワー、ソフトパワーでは、劣っているのだ。近代史の中で先頭を走ってきた日本は、唯一の有色人国家として、さんざん苦労したであろうが、この世界は、まだ白人社会だ。最近、EUの優等生たる北欧の外交使節が来て、我々を喜ばそうとだろうが、『日本は、もうダメだ。これからは、中国の時代だ』などと言われた。このように、彼らがファースト市民で、われわれは、まだ、セカンド市民なのだ」などといった発言があった。
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