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2007-01-11 00:00
生産性向上のための「移動」戦略を持て
四条秀雄
不動産業
安部首相のイノベーション戦略ですが、田舎の道路のようなものにならないかと危惧をしています。人口減少下でも生産性を引き上げれば成長は可能だとよく言われますが、人口増と生産性向上は「移動」という観点から見ると密接な関係があります。生産性向上は、「移動」の大規模化に伴って技術発展が促進され、進化する結果増大する傾向が強いように思われます。生産性向上それ自体が単独で生じるのではないと思います。例えば高齢化という「高齢人口の増加」という「移動」が、この分野での生産性を向上させるでしょう。反対に「若年人口の減少」という負の「移動」下では、その分野での生産性の向上は難しいように思われます。「若年人口の減少」に先んじて、合併などの大型化を促し、縮小リストラなどで投資余力を確保するぐらいしか生産性向上の方法はないでしょう。
従って、生産性向上政策の前に、どのような「移動」を将来引き起こすかの戦略を立てないといけません。小泉首相がやった国際的な旅行戦略も良いでしょう。北海道の雪は韓国や台湾やASEANの人々を引き付けるでしょう。人の「移動」が大きくなれば、空港や治安や関係する様々な過程で生産性が向上するでしょう。単純労働者の開放をアナウンスすることも大きな「移動」を潜在的に作り出します。人口減少は日本を一種のアメリカにします。負の電荷が電流を生み出すようなものです。日本語需要が増すでしょう。これが関連の産業を刺激して技術革新を誘発するでしょう。何よりも、日本語の拡大は国益の定義に直接的に関係します。言語教育の知見の増加は、中国よりも言語的に近接している韓国・北朝鮮・モンゴル・インドあるいはグルジア・アゼルバイジャンを日本に近づけることになるでしょう。
少し前に、外国人力士はなぜ日本語がうまいのかということが話題になりましたが、それは外国語習得には外国語にどっぷりつかる直接法が効果的だというような結論だったと思いますが、それ以外にも、力士の出身地が言語的に近接しているモンゴルのような国だったことも理由としては大きいと思います。戦前の大日本帝国時代にも朝鮮と台湾での日本語教育で相違が出た問題がありましたが、その再現が起きているようです。朝鮮半島での日本語教育は力士の例同様に直接法でうまくいったのに、台湾ではそうではなかったということです。台湾では結局、「~アルヨ」というようなピジン日本語が広まったということです。日本語の習得では、助詞をもつ言語圏の人は直接法でもうまくいきますが、英語圏や中国語圏の人では直接法はなかなかうまくいきません。助詞の「感覚」をうまく「体得」できた人は日本語がうまくなりますが、そうでなければ、変化の多い助詞の部分をパターン化して、変化の無い一語として扱う簡便法で話している人が多いようです。中国人の日本語はそういう日本語ですし、英語圏の人も同じです。このように、生産性向上を狙うなら、どこに潜在的な「移動」が潜んでいるか洞察をしないといけないと思います。
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