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2016-06-02 00:00
オバマ大統領の広島訪問
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
アメリカのオバマ大統領の広島訪問、そして演説、非常に大きな意義のあるものでした。一国民として素直に歓迎したいと思います。私は現在、核軍縮・不拡散議員連盟(PNND Japan)の事務局長を務めています。昨年の8月6日には私自身も原爆で犠牲となられた方々の慰霊と核軍縮関係会議への出席のため広島を訪れたところです。いま我が国の安全保障にとって核軍縮・不拡散は極めて重要です。北東アジアに位置する五か国のうち、3か国(ロシア、中国、北朝鮮)が核を保有しており、また世界的に核軍縮の流れの中で核弾頭の数を逓減させている状況下にあって、その流れに反して核弾頭の数を増加させているいくつかの危険な国のうちの二か国(中国・北朝鮮)があるのが我が国の位置する北東アジアの地政学的環境です。世界で増加している核弾頭の大半が我が国の近傍での出来事、これが国際政治の現実です。
そして、北朝鮮にしても中国にしても、その核弾頭のターゲットは実質的にはアメリカと日本だと言われています。さらに、小型化の技術、運搬手段のミサイル技術の状況から、アメリカ全土を確実に射程に収め策源地攻撃のリスクからも逃れられるということは現時点では不可能ですから、そのうちでも確実に高いレベルで核攻撃が可能なターゲットは現在のところ日本だけという現実がそこにはあります。唯一の被爆国である日本が、現時点でも世界で最も核攻撃のリスクにさらされ脆弱性が高い。しかもそれに対抗する手段を自国だけでは有していないということは、我々が忘れるわけにはいかない事実です。
日米同盟の堅持・深化はもちろんのこと、国際政治の中で核軍縮の流れをより強くしていくことが、日本国民の生命や暮らしを守るためには死活的に重要です。国連においても日本政府として積極的な働きかけをしているところでもありますが、今回オバマ大統領がアメリカという国のトップとして広島を訪問し、スピーチを行ったことはこの意味においても非常に重要です。
「アメリカの核兵器だけがけしからん」といった従来の左派的な発想ではなく、現実的な国際政治のリアリストの観点から、この核軍縮の戦略を日本が主体的に働き掛けていくことが重要です。中国やロシアの中長期的な動向が不透明さを増しており、朝鮮半島についても核兵器が存在する中での現状の変更の可能性も否定できない状況になっています。与党の政治家として、責任ある外交・安全保障戦略を今後もしっかりと進めていきたいと思います。
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