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2007-01-08 00:00
アジア地域統合と民主主義
山下 英次
大阪市立大学大学院教授
アジア地域統合の推進より民主主義の方が先だといった意見もあるが、民主主義国同士でなければ前に進めないと考える必要はないと私は考える。アジア諸国の中には、民主主義が実現していない国も少なくないことに加え、「ASEAN+3」の中にはミャンマーのような絵に書いたような軍事独裁政権の国まである。
また、民主主義国と言われるような国の中でも、程度はかなりまちまちであるが、民主主義の度合いの高い国ほど国民が幸せそうにしているということでもない。例えば、インドネシアは、民主化して間もない国であるが、いまや言論の自由についてだけいえば、シンガポールやマレーシアよりもむしろ上であろう。
しかし、インドネシアの人たちが、隣国のマレーシアの人たちよりも幸せだと感じているとはとても思えない。私は、マレーシアには、一昨年、昨年と2年続けて訪問し、その度ごとに直接、同国のマス・メディアとも接触しているが、彼らは、まだ完全に言論の自由があるわけではないことを率直に認めている。こうしたこともあり、マレーシアの新聞は、一流紙と言われる『ニュー・ストレーツ・タイムズ』紙や『スター』紙でも、率直に言って新聞としての面白味に欠けるといわざるを得ない。しかし、同国の国民は、自分たちの国に強い誇りを持っているし、また、マレーシアは高い志を持ちつつ積極的かつ多面的な外交政策を展開している非常に立派な国である。
また、成熟した先進国の民主主義も、いずれも深刻な問題を抱えている。アメリカ、フランス、ドイツ、日本のいずれの国の民主主義も、それぞれに固有な大きな欠陥を持っているといわざるを得ない。とりわけ、年がら年中、世界のどこかで戦争を繰り返すことを許す米国の民主主義に非常に強い疑念を持たざるを得ない。
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