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2016-05-20 00:00
(連載2)イギリスはEUに残るのか
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
しかし、EUから離脱すると、自動車メーカーにとってのメリットがかなり消えます。EUに残っているとEU内の国々への輸出にも有利ですし、EU内からの部品の輸入にも有利です。また、あまり注目されませんが、イギリスは航空宇宙産業と軍事産業が非常に強いのです。こうした産業にとってもEUに残る方がプラスでしょう。特に小売業、観光業、ものづくりなどでは、労働力の確保も重要な課題です。EU内からの労働者の移動は大きな意味があります。経済的にはEUに留まる方がいいと考えられます。
ではなぜ、離脱派が増えているのでしょうか。最も大きな要因は、移民や難民の増加です。こうした労働者の増加は企業にとってはプラスですが、労働者にとっては、労働機会が奪われるという見方になります。テロなどの不安もEU離脱派を増やしています。雇用と治安が大きなポイントになっています。はたして、EUから離脱すれば治安がよくなるかとなるとそれほど簡単な問題ではありません。しかし、感情的にはEUから離脱することが外国人の流入を防ぐことにつながると感じている人が多いようです。
日本はこの国民投票を見守るしかありません。日本とイギリスは歴史的にも関係は深く、お互いにイメージもいいものがあります。金融業や自動車産業では直接的な関係も強いです。イギリスにはEUに残ってもらい、経済的にも強いイギリスとしていて欲しいという気があります。
仮にイギリスがEUから離脱することになったらどうか。イギリスは、おそらくアジア戦略をさらに考える必要が出るでしょう。日英関係をさらに強めて、新たなビジネスパートナーを作ることも選択肢としてあります。イギリスは香港などとの関係もありますから、日本よりも中国を中心として考えるかどうか。イギリスがEUに残ろうと、去ろうと、新たな日英関係を築いていく機会になるかと思います。日英関係を軸にヨーロッパ戦略、アジア戦略、アフリカ戦略を模索することが可能です。(おわり)
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