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2016-04-26 00:00
(連載1)財政政策修正なら景気は持ち直す
田村 秀男
ジャーナリスト
経済メディアでは時ならぬ、日本経済悲観論ラッシュである。日本経済新聞は4月10日付朝刊トップで「もたつく景気 内憂外患」、ブルームバーグ・ニュースは11日付で「脱デフレ疑う海外勢、年度売越額『暗黒の月曜日』迫る-日本株正念場」と報じた。ウォールストリート・ジャーナル電子版は7日付で円高による負の効果に焦点を当てた。
日経が挙げるネガティブ要因は個人消費低迷、円高、中国経済の減速、米利上げの先送りと、経済記事を総まとめにした大学生のリポート同然、新味はまるでない。夜明け前の暗闇ばかりを問題にして騒ぐ観ありだ。外国系メディアが指摘する日本株売りや円高もしょせんは市場の一コマであり、明日も半年後もそうなるとは限らない。拙論の見立ては日経とは真逆だ。日本の景気は今が底で、これから上向くと楽観している。理由は簡単である。日本の低迷は政府の政策の失敗によるものであり、民間部門に重大な構造欠陥があるわけではない。政策をきちんと正しい方向に転換すれば、民間経済は持ち直す。事実、安倍晋三政権は軌道修正にかじを切ろうとしている。
来年4月に予定されている消費税率再引き上げの見送り、さらに緊縮財政路線の見直しである。日銀のマイナス金利政策の影響で、10年もの国債ですらマイナス金利で発行できるのだから、安倍政権はゼロ以下の発行コストで大型資金調達を行い、防災インフラばかりでなく教育、航空宇宙・防衛・医療・バイオなどの研究開発に大々的に投資しやすくなる。
現下の円高のタチは悪くはない。民主党前政権当時の超円高は、日銀のデフレ容認策と政府の緊縮財政によるもので、産業競争力の弱体化に追い打ちをかけていた。今の円高傾向は昨年秋からの貿易収支の黒字転換と経常収支黒字の急増による。円高による輸入コストの低下は円高による企業収益減を相殺する。何よりも、円高基調のもとで日銀はマイナス金利政策を追加できる。その予想のもとで市場では日本国債への需要は高まるので、政府はより有利な条件で国債発行できる。今の円高は日本の財政・金融政策の充実を促しているのだ。(つづく)
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