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2016-04-06 00:00
本気度が高いシリア和平会議
川上 高司
拓殖大学教授
シリアの停戦が始まって1ヶ月が過ぎようとしている。ロシアとアメリカはこの1ヶ月でシリアの政治プロセスの構築に力を注いできた。アメリカとロシアがシリアの和平にかける意欲はこれまでになく高まっている。3月に入ると、ジョン・ブレナンCIA長官がモスクワを訪れた。続いてケリー国務長官がモスクワへ飛びプーチン大統領と会談、さらに後を追うように国務次官が訪ロした。情報を共有し現実的な話し合いが着々と進んでおり、今までとは違う、政治的解決への「熱意」が両国の関係者の間に生まれさらに共有されている。
特に、任期が迫っているケリー長官はやる気満々だという。訪ロ後の記者会見では、4月11日から再び和平会議を開き、シリア政権と反政府勢力がいよいよ顔をつきあわせて政権移行の枠組みについて話し合うことになるだろうとケリー長官は語る。長官の側近によれば、ケリー長官とラブロフ外相は「慎重ではあるが楽観的」な見通しを持っているという。なにしろ今後のスケジュールは8月までに憲法の草案と政権移行の枠組みを決定することで米ロが合意したという。
シリアの内戦の終結を4年も長引かせたのは、この政治的プロセスで米ロが妥協をしなかったからである。それが、昨年10月30日の和平会議から始まって1年も経たず憲法改正まで進むのである。両国の水面下ではどのような交渉が行われているのかは推測するしかないが、ロシアの空爆参加が流れを変え、さらに3月のロシア軍撤退がアサド大統領への強い圧力になったことは間違いない。
シリアがどのような国に生まれ変わるのかは、誰にもわからない。どのような国になるかはシリア国民が決めることであり、内戦で疲弊した社会を再構築し、難民が帰国できるような安定した国家に戻るには長い時間がかかるかもしれない。国際社会はシリアの再生に力を注いでいかなくてはならない。懸念されることは、シリアで停戦が続くのと比例するようにイラクではテロが多発し、3月だけで3000人以上が犠牲になっていることである。テロの問題はシリアの安定だけでは解決しないということである。
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