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2016-04-01 00:00
(連載2)中国の軍事費増大は国力の向上につながるか
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
まず、兵器の輸出です。作った兵器を他国に輸出して、貿易の対象にするなら、その国の経済に限定するならプラスの効果になります。アメリカは巨大な軍需産業を作り、同盟国に兵器を売りました。日本は良いお客さんです。軍事兵器は利益率を高く設定るすることが可能で、顧客がいれば、利潤を上げることができます。中国はまだその域には達していませんが、急速に武器輸出の分野でも存在感を出しています。まだアメリカやロシアとはかなり距離がありますので、この分野でプラスには到底なりませんが、将来においては世界有数の武器輸出国となる可能性があります。
また、航空宇宙産業やハイテク産業においては、極めて民需産業と近い分野があります。つまりこの分野では軍事費への投入は産業力の強化に繋がります。アメリカが航空宇宙産業やハイテク産業で絶対的とも言える優位性を持っていることと関連します。しかし、必ずしも軍事的志向のある研究開発と民需的志向の研究開発とは同じではありません。無駄ではないものの、効率は悪いということがあります。
軍事費の増大によって、国際社会での発言権を大きくするという測りにくい効果があります。ただ、これは軍事大国になって、周辺の諸国から敵対意識をもたれ、結局はマイナス効果になるというリスクもあります。まさにケースバイケースとしか言いようがありません。
軍事費増大が、必ずしも経済発展を阻害するものばかりではありません。しかしそれでも総合的には経済成長には足枷をつけられているようなもの。今、中国が経済的に低迷する中で、軍事費を上げ続けるのは長期的な国力からするとマイナスになります。これは日本にとっても同じこと。中国を意識するあまり、軍事大国になれば、経済的な損失を受けます。国力とは軍事力とイクオールではありません。経済力と国際社会における存在感がますます重要になっています。中国の軍事力の強化は脅威ではあります。しかし、冷静に分析し、中長期的な国力の向上を図る政策を持つことが重要です。一方、中国の軍事力の強化は、中国にとって命取りになりかねません。(おわり)
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