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2016-03-31 00:00
(連載1)中国の軍事費増大は国力の向上につながるか
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
中国の全国人民代表大会で発表された2016年の「国防予算」(軍事予算)は、前年実績比7・6%増の9543億元(約16・2兆円)で、過去最高を更新したことが報道されています。伸び率はやや低くなり、1桁といってもまだ7.6%の伸びです。絶対額としては、日本の防衛関係費(16年度防衛予算案)の約3・2倍に達し、世界でも有数の軍事大国になっています。
日本の軍事力が、中国よりも明らかに優れていた時代は終わっています。今では、質、量ともに、軍事力では日本に優っているといえます。兵器の質や隊員の質などでは、微妙なところがあるにしても、やはりここまで中国が軍事費を注ぎ込むと、中国の軍事力の優位はあります。ただ、ここで考えなければならないことは、軍事力だけが国力ではないということです。経済力や国際社会における地位なども総合的に考えなければなりません。経済力においても、中国は高度成長を遂げ、GDPの世界2位となり、日本を抜いています。その経済力を持っての軍事力強化の側面がありました。
では軍事力強化は経済発展にプラスなのでしょうか。この議論はかなりクラシックなもので、長年、延々とされてきたものです。軍事費を高めると確かに軍需産業は育ちますし、明らかに潤う分野があります。戦後はむしろ、軍事費は経済発展にプラスというイメージが先行し、軍事費を抑えても経済成長は可能か、という議論があったくらいです。しかし、70年代に入るとむしろ軍事の非経済の議論が主流になります。
つまり、軍事費が増えると、経済に直接プラスでない分野の肥大になり、経済発展にはマイナスであるというものです。日本は軍事費を抑える政策を持ち、経済発展をしてきましたから、その良き一例として挙げられたものです。これは80年代、90年代も続けて主流の意見となります。しかし、軍事費と経済成長との関係はかなり複雑です。大きく言えば、負の比例関係にあると思っています。基本的に軍事費は人間の生活を豊かにするものではないので、大きくなればそれだけ人間の生活にとってはマイナスです。しかし、経済との関係では微妙な分野があります。(つづく)
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