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2016-03-27 00:00
(連載2)日本共産党の基本理念と基本政策を検証する
加藤 成一
元弁護士
次に、日本共産党が実現を目指す社会主義、共産主義社会の内容が問題である。共産党は、旧ソ連、中国のような社会主義ではなく、高度に発達した資本主義国である日本に適合した社会主義を実現する、と主張する。しかし、共産党が実現を目指す社会主義社会が、いまだ実現していない以上は、すでに実現した旧ソ連、中国などの社会主義社会の内容を検証せざるを得ないであろう。
そうすると、旧ソ連や中国をはじめ、これまでに実現したすべての社会主義国家は、いずれも「プロレタリアート独裁」の名による「共産党の一党独裁」の社会主義である。そこでは、基本的人権や言論の自由などが徹底的に抑圧され、共産党に対する一切の批判が許されない社会であることは、異論がないであろう。
さらに、日本共産党の内政の基本政策である、大企業の国有化などによる「生産手段の社会化」と、一定の市場経済を導入した「計画経済」を検証する。競争原理が働かない「生産手段の社会化」や「計画経済」は、技術革新を遅らせ、非効率、非生産性、低成長をもたらし破綻したことは、旧ソ連、旧東欧、改革開放以前の中国などで実証済みであろう。このことは、旧西ドイツと旧東ドイツ、韓国と北朝鮮の経済力を比較すれば、一目瞭然であろう。
最後に、日本共産党の外交の基本政策である、「日米安保条約破棄」「自衛隊廃止」を検証する。共産党は、統一戦線の政府である「民主連合政府」が成立すれば、日米安保条約を破棄し、国民の合意で自衛隊の廃止に向かう、としている。問題は、安保条約を破棄し、自衛隊を廃止した場合に、他国からの急迫不正の武力攻撃に対して、国の存立と国民の生命、自由、財産を守り切れるかどうかであろう。共産党の外交の基本政策は、日本から「抑止力」を奪い、日本国および日本国民を存亡の危殆に瀕せしめる恐れがあろう。日本国民には、共産党の基本理念や基本政策を冷静に見極め、誤りなき判断が求められよう。(おわり)
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