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2016-03-14 00:00
(連載1)日本にとって、インドは次の時代のパートナーか
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
BRICSとは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカを指し、これからの世界経済の主役になることが期待される国々の総称です。中国経済が低迷をはじめ、また原油や鉱物資源などの価格が急落する中で、中国、ロシア、ブラジル、南アフリカが厳しい状況に置かれつつあります。ブラジルはワールドカップ、オリンピックと続いての開催で、大きく経済成長すると期待されたのですが、最近は厳しくなり、オリンピックの開催運営にも支障が出るのではないかと危ぶむ声もあります。ロシアは、原油・天然ガスの価格の下落とともにウクライナ問題などを抱え、経済状況は崩壊に近くなっています。中国は輸出が落ち込み、国内の不動産価格も下がる傾向にあります。人口ボーナスを使い果たしたともいわれ、これまでの高度成長とは全く異なった経済環境に置かれています。どこまで経済が急落するのかを世界が見守っている状況です。南アフリカは資源大国でありながら、最近の貴金属価格の下落により同国の経済は低迷しています。また、それに追い打ちをかけるように干ばつ被害もあって、かつての勢いは失っています。BRICS総崩れに近いのですが、その中でインドだけが経済の低迷は多少あるものの、まだ成長を続けており、当分は期待が持てる状況にあります。
インドはこうした新興国と異なり、輸出に頼るほどの資源は少なく、また製造業も未熟であったので、輸出額が少なく、世界的な経済不況の影響をあまり受けていないのです。今から、伸びていこうという段階であり、これまでの流れが変わっているのではないのです。インドでまず言えるのは人口ボーナス。中国に匹敵するだけの人口を誇ります。中国と決定的に異なるのは今でも若年層が多く、ピラミッド型の人口構成です。労働者人口はむこう30年くらいはしっかりと確保できる構成です。今からやっと産児制限をしようかという段階です。それさえどこまで効力があるのかわからないですが、人口爆発は続いているのです。中国は1979年に一人っ子政策を導入しています。すでに日本に近い少子高齢化社会になっています。労働者人口の比率が減れば、13億とも14億とも言われる人口は社会にとっては逆に負担になります。インドはまだまだ人口ボーナスがあり、「自然と」経済発展する環境があります。
モディ首相によるモディノミクスのキーポイントは、外国資本の呼び込み、規制緩和による企業活動の活発化、インフラ整備です。あまりに高い期待があったので、現在の状況に失望をする人もいます。しかし、インドなのです。すべてがゆっくりと動きます。その止まったようにさえ見えたインド文化の中ではまだ動きがある、という見方の方があたっているのでしょう。中国は、毎年のように都市部では目に見えた変化がありました。新しいビルがどんどんとでき、高速道路が整備されました。世界レベルの巨大で効率的な都市が出現しました。しかし、インドは違います。ニューデリーの汚さはまだそのままに近く、多少は改善されたかな、という程度。何度行ってもほぼ毎回苦しむ嘔吐と下痢に加え、超渋滞で、危なっかしい道路事情など、本当にゆっくりとしか進みません。
しかしそれでもインドは動いています。人口ボーナスとモディノミクスへの期待は、外国資本の流入を増やしています。中国の急速な発展も外国資本の流入があってのことでした。かなり問題のある使い方があっても、次々とやってくる外国資本による埋め合わせで中国は高度成長を続けました。その外国資本の流入が止まれば、一気に不景気になります。そして実際になっているのが今の中国です。今、インドには外国資本が次々と投入されています。インドの複雑なビューロクラシーとインフラの未熟さによって一気に増えるという感じではないのですが着実に増えています。おそらくしばらくの間、この成長の流れは続くと思います。しかも急ではないから長く続く可能性が高いのです。(つづく)
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