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2016-03-08 00:00
南シナ海に垣間見える中国の実態
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
南シナ海に中国がレーダー施設を設置し、防空識別圏の設定をする可能性が高いとの報道があります。東シナ海での挑発的な行動、北朝鮮への事実上の庇護と同様、南シナ海における中国の動向も極めて深刻な問題です。国際社会は中国の実態を早く認識し、ナチスドイツの台頭のような過ちを繰り返さないようにせねばなりません。中国は従前から、「中国は平和国家であり現状を力で変更するようなことはしたことがない」と繰り返してきています。
もちろん、東シナ海や南シナ海での行動、チベットや新疆、台湾での行動を目の当りにすれば、そんな中国共産党のリーダーたちの言動は全くの嘘で、国際社会を騙すための虚偽の宣伝に過ぎないということは一目瞭然なのですが、国際社会では地理的に遠く、中国のそうした脅威に直面していない国も多いわけで、中国のバラマキ外交の効果と相まって、中国脅威論が中和されてしまっているのも事実です。特にアメリカの力が相対的に低下し、財政問題や孤立主義的な傾向など、アメリカ国内における米国の国際的な積極関与への支持が弱まっていることもあり、アメリカの圧倒的な影響力のもとで秩序が保たれてきた1990年以降の東アジア情勢が徐々に変化しつつあります。誰がアメリカの次の大統領となろうとも、このトレンドに歯止めをかけることは長期的には困難です(もちろん短期的にはだれが大統領になるかで大きな違いが出てきますが・・)。
であるからこそ、日本としては、この現実を認識し、アメリカのみならず、東南アジア諸国、オーストラリア、インド、台湾、韓国といった国々と連携しながら、中国の軍拡を抑制していかねばなりません。アメリカの力にある意味で甘え、アメリカの軍事力の下に東アジアの安定が維持され中国の覇権主義的な行動も抑止されるだろうという前提の下で、中国にもいい顔をしているような、そんな余裕は実はもうないのだということを、それぞれの国が認識する必要があります。今回の南シナ海での一連の動きにはASEANも懸念を表明しました。日豪、日英についても、日米を補完するような強い二国間協力を徐々に構築できるようになってきています。このような流れをさらに加速させていくことが必要です。
中国の一連の動きは、アメリカのアジアにおけるプレゼンスを長期的に逓減させ、アジアにおける中国の圧倒的な外部に干渉されない覇権を確立することにあることは各種の行動から明らかです。中国の東シナ海、南シナ海での行動、アメリカの不透明な大統領選の行方、これをいい機会として、我が国としても、国際的な協調の中で域内各国が主体的に平和で安定した秩序構築のために必要な行動、アクションを考え実行していくことが求められます。
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