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2016-02-29 00:00
有言実行が試されるシリア停戦
川上 高司
拓殖大学教授
国際シリアサポート会議(ISSG)が1月末からアメリカとロシアの共同議長により進められていた。いろいろな思惑が絡み、参加国であるトルコがロシア戦闘機を撃墜するなど参加国の間でも不協和音が響きその会議の成り行きが注目されていた。
それでも2月22日、アメリカとロシアが停戦で合意したと発表されケリー長官が「絵に描いた餅にならないようにする」と前向きな意欲を見せた。この合意は、「敵意を休止」するという停戦合意である。2月26日正午までに各武装勢力はアメリカかロシアに停戦を受け入れるかどうかを通告、受け入れるという通告のあった武装勢力は攻撃対象からはずすという。ただしISとアル・ヌスラはその対象外で攻撃を継続するというものだ。
この通告という行為によりにより、米露側は武装勢力を把握し彼らとホットラインで繋がることを目指すのだが、その実効性にはすでに疑問符がつけられている。なにしろ5年も戦闘してきた地域である。それほど簡単に武装グループは停戦を受け入れるだろうか。さらに武装勢力は米露という大国の思惑に疑心暗鬼であり、本当の狙いはどこにあるのかと不信感が募っている。
この米露の停戦合意は唐突だった。2月21日、ロシアはイランに国防大臣を派遣した。これは今回の停戦合意の了承をイランのロハニ大統領から得るためだとみられている。そして22日にはオバマ大統領とプーチン大統領が電話で協議し、その直後に発表された。その発表に先立つ週末にはロシアのラブロフ外相とケリー国務長官は密室会談を重ねていた。まさに個人対個人の外交交渉で停戦合意にこぎつけたのである。このケリー・ラブロフの密な関係とオバマとプーチンの一対一の外交交渉がシリア問題を進展させる原動力であるということがはっきりと表れている。現在の米露関係はここに集約されている。
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