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2006-12-25 00:00
アジア地域統合の消極論者は、想像力に欠けている
山下 英次
大阪市立大学大学院教授
アジア地域統合について、残念ながら、現状、わが国では、政府を含めて消極論者が多数を占めるが、長期的には積極論者が勝利することになるであろう。
消極論者に共通して言える最大の欠点は、想像力に極めて欠けるということである。このような人たちは、現状の世界環境が、この先も長期的にずっと続くと前提してしまうようである。例えば、アメリカの一極支配がずっと続き、日中関係には大きな改善は期待できないと思い込んでしまう。
しかし、歴史を振り返れば、大方の予想を遥かに上回るような極めて大きな諸々の変化がこれまでにもあったことを忘れてはならない。現実の近現代史は、むしろ激動の歴史といっても過言ではない。戦後、日本が急成長し、世界第2位の経済大国になることをどれだけの人が予想できたであろうか?また、ソ連邦の崩壊、中国の急速な台頭、も同様である。さらには、米国が世界中でこれほどまでに嫌われる存在になるなど、20~30年前に一体どれだけの人が予想できたであろうか?消極論者は、歴史にもっと良く学ぶべきである。
今後について言えば、ポイントは、(1)世界の多極化の急速な進展、(2)わが国の対アジア経済関係が対米関係を大きく上回る、の2点ではないだろうか?今後、(1)と(2)が急速に進展するにつれ、いずれアジア地域統合積極論者がわが国でも多数派となるであろう。統合消極論者の方々、早めに転向しておいた方がよろしいかと存じます。
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