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2015-12-18 00:00
パリ協定の採択と今後の展開の重要性
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
先週末パリ協定を採択して地球の気候変動に関わるCOP21は閉幕しました。当初の見込みを超える成果を残したと言える部分もかなりあった内容で、協定の採択自体は前向きな評価をされるべきものだと思います。関係者の努力に心より敬意を表したいと思います。追いかけるべき目標として2℃を上回る1.5℃ということが書き込まれ、また検証についても先進国、新興国、途上国がほぼ共通のプロセスを踏むということは大きな前進といえると思います。
しかし、当然のことながら、これからどのようにして細目を詰めていくことが出来るか、それに今後の気候変動対策がきちんと進むかはかかっていると思われます。各国が登録をした目標についての評価を誰がどのように行うのか、さらにはその妥当性を誰がどのような尺度で検証するのか、さらには資金についても、緩和と適応の双方に配分されることとなろうかと思われますが、例えば技術とその移転について、どのようなものを対象とするかなどの詳細な制度設計が非常に大事になってきます。
少なくとも途上国、新興国においては、現在ある最も優れた技術(Best Available Technology)をどのように普及させられるか、どのように置き換えのペースを上げていくことが出来るかが最重要課題です。同時に全世界がBATを導入したとしても、必要な削減幅には追いつきませんから、それを超える技術的なイノベーション・ブレークスルーが必要です。その主体は主には先進国の企業・民間セクターにならざるを得ず、彼らがそのR&Dコストをどのようにして既存の技術の普及から賄うことが出来るかも極めて重要な課題です。
先進国が拠出する資金のフレームも、この様なポジティブなサイクルを加速させるもので無くてはなりません。この様な詳細にわたる仕組みづくりが今後行われていくわけですが、まさに今回の枠組みの成否を握っているのはこのような細部ですので、今後もきちんとウォッチしていかねばなりません。パリ協定の採択は大きな一歩であったことは事実ですが、ここで一息つくことなく、意義のある仕組みを叡智を結集してつくりあげていくプロセスを加速させられるよう私自身も微力ですが力を尽くして行きたいと思います。
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