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2015-11-26 00:00
(連載1)テロに屈しないということ
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
パリで13日の夜に発生した同時多発テロ、犠牲となられた多くの方々のご冥福をお祈りいたします。同時に真相、背景の究明を関係国には徹底的にしてほしいと思いますし、日本としても今後サミットやオリンピック・パラリンピックなど多くのイベントを控えていますので、テロ対策徹底の再確認をせねばなりません。14年前の9.11テロの時、テロ現場に一番近いマンションのうちの一つに住んでいた私にとって、テロへの対応はそれ以降大きなテーマであり続けています。一期目の当時から一貫してテロ特と言われた特別委員会に所属し、議論に加わっても来ました。今回のパリのテロも、イスラム過激派組織ISの犯行だということがオランド大統領の14日の会見でも指摘されています。当然更なる検証は必要ですが、先日のロシア機爆破同様その可能性が高いと思われます。
特に今世紀に入ってからテロは組織化され、テロリストも拡散してしまっています。一つの拠点・組織を殲滅すれば大丈夫という状況ではありません。それはアルカイ―ダでもISでも同じことです。そして、イスラム過激派についていえば、確かに一般のイスラム教徒と過激派は全く異なるというのが事実ではありますが、その一方で、どこの国でもそれぞれの国のマフィアや暴力組織がそうであるように、資金的にあるいは人的にも、テロリストはどこかで一般社会とのつながりを持っています。
それをどう遮断し孤立させることが出来るか、資金源、人的供給源、武器等の供給源、そのルートをきちんと遮断していくより他に、実効性ある対策はできません。そのためには、一つには一般社会の中でテロリストにシンパシーを持つような人を増やさないことが極めて重要です。イスラム教徒をイスラムというだけで排除するようになってしまえば、その分だけテロリストに同情的な中間層を生むことになってしまいます。それは断じて避けねばなりません。
もう一つは、国際社会としてひるむことなく、テロリストへの攻撃、せん滅作戦を徹底的に行うこと。テロ組織が存在する一般社会の中にはテロリストへの恐怖が確実に存在します。国際社会がテロリストを確実に殲滅しようと真剣に取り組んでいるからこそ、そうした一般の人々はテロリストへの恐怖に打ち克って彼らとのかかわりを突っぱね続けることがが出来ます。テロリストではない一般市民のために、せん滅作戦は実効性がある作戦を確実に行わねばなりません。万が一にも今回のテロにより、イスラム過激派への国際社会からの攻撃が弱まるようなことがあれば、それはまさにテロリストの思うつぼです。(つづく)
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