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2015-11-24 00:00
シリア内戦の解決が急がれるわけ
川上 高司
拓殖大学教授
11月13日の夜、パリ市内で同時多発したテロにより100人を超える犠牲者が出た。このような卑劣な行為を国際社会は許すわけにはいかない。各国首脳はいち早く哀悼とテロへの怒りを表明した。劇場を襲撃したテロは、かつてモスクワ劇場を襲撃したイスラム教徒によるテロを思い起こさせる。
プーチン大統領はその事件を忘れたわけではないだろうから、フランスへの同情とテロへの怒りは並みではなかっただろう。国際社会からはほとんど注目を浴びていないが、パリでのテロの少し前にも中東ではテロが頻発し、シリア内戦の根深さを示している。一刻も早くシリア問題を解決しなければテロは溢れた水のように広がる危険が高い。
11月12日、レバノンの首都ベイルートの郊外では、シーア派のモスクを狙った自爆テロが発生した。自爆テロ犯に気がついた男性が、テロ犯がモスクに突入するのを命を掛けて阻止したおかげで犠牲者は40人にとどまったが、祈りの時間を狙ったテロが成功していれば数百人の犠牲者がでたに違いない。このテロはISが犯行声明を出し、シーア派組織ヒズボラがシリアへ派兵しシリア政府軍を支援していることへの報復だった。レバノンでは6日にもシーア派を狙ったテロが発生している。
イラクの首都バグダッドでも13日、シーア派の葬儀を狙ったテロが起こり、21人が犠牲になった。ロシア航空機の墜落もISによるものだとの見方が固まりつつある。ISがこのように報復テロを繰り返すことは、やがてそれはシリア会議で譲歩を見せるサウジアラビアやトルコなどのスンニ派国家をも標的にすることを意味し、ひいてはテロによる脅威のためにようやく見えてきたシリア内戦解決の糸口が霧散しかねない。今こそ国際社会は協調してシリア内戦の解決に取り組まなくてはならない。
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