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2015-10-17 00:00
(連載2)プラザ合意30年、対米協調の名のもと沈む日本経済
田村 秀男
ジャーナリスト
金融危機を乗り切った米国のほうはどうか。プラザ合意の85年に対外債務が対外債権を上回る純債務国に転落した米国の債務は以降、膨らみ続けていく。90年代末には株式の「ドット・コム・バブル」崩壊、08年9月の「リーマン・ショック」を経たのだが、FRBによる量的緩和政策によって株価を引き上げ、株価主導で景気回復を軌道に乗せた。
85年当時を100とする日米の名目国内総生産(GDP)と株価の指数を見ると、一目瞭然、米国はブラックマンデーの衝撃を乗り越えたあと、株価が先導する形でGDPは順調に増大してきた。2014年のGDP規模は1985年の4倍である。
対照的に、日本は80年代末のバブル崩壊の後、株価は超低空飛行を繰り返している。14年の名目GDPの水準はバブル崩壊期の30年前と変わらない。2012年12月にスタートした第2次安倍晋三政権は「アベノミクス」を打ち出し、株価を引き上げ、脱デフレをめざしているのだが、14年4月からの消費税増税後は景気の停滞が続く。アベノミクス効果も30年間のスパンでみると、しょせんは長期停滞の域を出ていない。
日本は世界最大の債権大国なのだが、国内でカネを使わないために経済は成長できず、財政赤字圧力が増す。それを理由に財務官僚は増税、歳出削減という緊縮財政を政権に飲ませて、デフレに誘導する。カネはますます余って、世界最大の債務大国の米国に回る。「対米協調」の名のもとに、日本が沈むパターンは30年経っても変わらない。日本のメディア多数は「プラザ合意30周年」企画を特集して、あたかもお祭り騒ぎのような報道ぶりだったが、そんな脳天気ぶりにはあきれる。(おわり)
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