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2015-09-24 00:00
(連載1)日米友好祭に見る国民の真意
河村 洋
外交評論家
去る9月19日および20日には、在日米軍および航空自衛隊の横田基地において日米友好祭が開催された。今年の友好祭は例年以上に注目に値するものであった。それは、直前9月19日未明に大紛糾の末に参議院で安保法案を通過したばかりだったからである。このイベントに対する市民の受け止めは、メディアの報道にも学者達の研究にも表れない国民の真意を知るための試金石である。結論から言えば、反対派の声を過大評価したメディアの報道姿勢は間違いである。それは彼らが何を言おうとも、日米友好祭の膨大な人出と活気が、国民の間での日米同盟と安保法制への強い支持を雄弁に物語っているからである。
今回の安保法案をめぐってはSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)をはじめとした左翼およびリベラル系の大規模な反対デモが国会前で行なわれ、メディアからは60年安保闘争の再来として大きな注目を集めた。あまりの大きなデモに民主党の岡田克也代表は、安保法制は国民の声を無視するものだと決めつけた。確かに無数の人々が永田町を占拠し、大声で安保法制への反対を叫んだ。
しかし、それが論理的にも情緒的にも日本国民の声を代表するものなのだろうか?こうした街頭の市民運動において、左翼系の団体がきわめて動員能力に長けていることに留意しなければならない。政治学の入門理論では、強い団結力で特定の目的意識を持ったグループが大多数の国民以上に大きな影響力を持つ。永田町を占拠した者達がどこまで国民の声を代弁する存在なのか、それはきわめて疑わしい。
それに対して日米友好祭での横田基地への市民の来訪は、どこの組織からも動員されていない自発なものであった。通常は最寄りのJR青梅線牛浜駅から基地までは徒歩で15分ほどということだが、この日の入場には1時間以上もかかった。警察は膨大な人数の来客が周辺住民の交通を妨げぬよう、彼らの行列を整えて往路を迂回させたほどだった。もう基地に入る前から、これが永田町占拠者と同じ日本国民とは思えないほど、在日米軍および自衛隊に対する支持と人気の高さを示していた。道中では日本民主青年同盟の運動家20人ほどが安保法制反対のデモをやっていたが、日米友好祭にやって来る訪問客が彼らの主張に耳を貸すはずがない。民青の行為は、ただ失笑と冷笑の対象になるためだけの運動であった。(つづく)
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