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2015-09-14 00:00
責任ある大国としての国際貢献
川上 高司
拓殖大学教授
シリアからの難民問題が国際的な注目を集める中、ヨーロッパ各国も対応はさまざまである。シリアからの難民は、今年に入ってすでに85万人に達する。彼らは主としてドイツやスエーデンを目指しており、通過国には関心がない。そのためか通過国にあたる国々では越境を黙認する場面も少なくない。
デンマークにいたってはアラビア語で「我が国は難民には厳しい国だ。来るべきではない」といった内容の広告を展開し、実際にドイツからの列車を国境で止めて難民を足止めするなど厳しい措置をとっている。ドイツでは難民受け入れを表明したものの国民の世論は賛成、反対に分かれており国を二分しかねない状況である。エジプトでは富豪が無人島を購入して難民を受け入れると表明したり、オーストラリアが難民受け入れを表明したりとそれぞれの事情を抱えつつも国際社会が動き出した。
一方海を隔てたアメリカではあまり関心が高まらないが、折しも大統領選挙のキャンペーンが展開されており、シリア難民問題はシリア内戦問題とともに争点になる可能性がある。過激で差別的発言も厭わないドナルド・トランプ氏は難民受け入れについては「そんな発想は論外だ」と相変わらず憚らない発言をしつつも、「だが人道的見地からシリア難民は受け入れるべきだ」と意外な面を見せている。
国際社会がシリア難民危機に乗り出している中、日本の対応に注目が集まっている。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)への拠出金は今年上半期ですでに1億6700万ドルで、第2位のドナー国となっている。だが、難民の受け入れの厳しさは世界でも並外れており今回のシリア難民危機では「責任ある大国」としての対応が求められている。先進国として国際社会での責任を自覚し積極的に貢献するのか、アジアの小国にとどまるのか、シリア難民問題は日本の外交政策の本質を問いかけている。
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