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2015-07-28 00:00
東シナ海ガス田は中国軍事戦略の最前線
鈴木 馨祐
衆議院議員
東シナ海のガス田に関しては、一期目の衆議院議員だった当時から繰り返し外務委員会等での質問でも取り上げ、党の会議でも警鐘を鳴らしつづけてきたところですが、政府が航空写真の公表に踏み切ったことで、再びクローズアップされています。この問題は、日本の領土領海にかかわる国際司法の問題と中国の海軍戦略にかかわる安全保障上の問題との両面から考えねばならない問題であり、極めて深刻な問題です。
国際法的な論点については、要すればポイントは、東シナ海においては境界が日中両国の間で確定できておらず係争が続いている海域であるので、その段階においては、日本は日本から200海里の海域における権原を今も明確に保持しているという点であります。すなわち、いわゆる日中中間線という目安は、中国共産党がそれを認めていない以上、日本にとっても国際法上何ら法的な意味を持つものではなく、従って、日本のEEZとして主張しうる海域全体において、権利を主張し、必要な行動をとるということが大原則であるという点、この原則を様々な行動において、忘れるわけにはいきません。
すなわち、白樺であれ樫であれ、あるいは天外天であれ、いわゆる中間線との位置関係に関係なく、現時点での日本政府の主権が侵害されているということに変わりはないという点、この点に注意が必要です。中国は自国が権限を有する領域内と一方的な主張をすると思われますが、現状においては日本にとっても自国が権限を有する領域内での中国共産党による権利侵害の行動であると言わざるを得ない、この点を明確にしておく必要があります。どこかのタイミングで、中国が実質的に中間線を受け入れているということが、中国側からある程度明確な形で伝えられているのであれば、中間線を目安とする議論にも意味が出てきますが、いまの時点では全くあり得ない議論であるということ、このことは極めて重要です。
そして、安全保障面から考えたとき、西太平洋におけるアメリカの軍事プレゼンスを低減させるという中国の大戦略に欠かすことが出来ないのが、宮古海峡等太平洋へのアクセスルートの確保であり、そこに至るためには中国としては、日米の哨戒機能の低減という必須の条件をクリアせねばならない。その文脈での中国による長年にわたる、東シナ海における実効支配・制海権制空権確立の手段としてのガス田開発、というポイントを我々は明確に認識し行動していかねばなりません。いずれにせよ、全く予断を許さない状況であることは確実であり、日米の連携はもとより、国際社会においても南シナ海同様、東シナ海における中国の行動にも関心が集まるような問題提起を行っていくことは極めて重要です。引き続き様々な機会を活用し働きかけを続けていきたいと思います。
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