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2015-07-08 00:00
(連載1)ギリシャそしてユーロの今後のリスクと可能性
鈴木 馨祐
衆議院議員
サッカー女子日本代表のワールドカップ決勝戦は非常に残念な結果となりました。しかし全力を尽くしての結果、素晴らしい健闘に敬意を表したいと思います。その一方で、日付けという意味では同じ日に行われたギリシャの国民投票の結果、極めて深刻な今後への影響が懸念されます。たしかにギリシャだけで考えれば、国の経済規模も財政規模も非常に大きいわけではなく、域外国への影響も従来から懸念されていた危機ですので、直接的な影響は限定的とも考えられます。しかし、今回の問題はもっと大きな構造的問題に影響しかねないことを考えれば、われわれはあまり楽観的になるわけにも行きません。
この根本の問題とは、ご承知のとおりユーロに関する問題です。ユーロ圏の問題は、一言で言えば、財政政策・税制を決め国債の発行を行う主体が今でも各国政府であるにもかかわらず、通貨・金融政策はECB、ユーロ圏全体で決められているという「ねじれ」であり、これが全ての矛盾の根源と言っても過言ではありません。これは、イギリスなどユーロに加入していない一部の国を除き、欧州諸国全体にとって極めて深刻な問題です。
話をあえて極めて単純化すれば、この仕組みが上手く回っている限りにおいては、ドイツのような経済的強国は実態よりも弱い通貨を持ち、域内の他国の低賃金の労働力も確保することが出来るため、経済的に日本やアメリカ、イギリスなどと比較して優位に立つことが出来ます。そして経済的に弱いギリシャのような国は、通貨が実態よりも強いことでマイナスの影響を受けるかわりに、国債の発行についてはユーロを守るという前提に立てば、事実上ユーロ圏全体で加盟国各国の債券は保証されると考えられていたために、相対的に高い利回りによる投資の呼び込みと相まって恩恵を被っていた。
またそのために国民負担を先送りし続けることが出来て来たわけです。言ってみれば、根本に矛盾をはらみつつも、上手く回っているうちは誰もがその根っこの問題に目をつぶって、気がつかないふりをしていたわけです。実はこの状況は数年前の欧州危機から全く変わっていないのがその実態です。そして、やって来たのが今回の危機です。一体今後どのようになるのか。(つづく)
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