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2015-06-11 00:00
普天間基地移転について考える
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
”a time for every matter under heaven\"(天の下、どんな物事にも時がある)という聖書の語句を、学生時代英語の時間に学習した。まさに、物事にはタイミングがあるのだとの思いが強いこの頃である。最新の『文芸春秋』において、元米国務省高官だったケビン・メア氏が「本来、普天間基地問題は19年前の橋本政権で移設合意がなされ決着済み、当時、沖縄の知事、市長は皆同意した」と述べている。そこに至るまでには、沖縄県民はじめ橋本総理以下の政権担当者、自民党内の関係者、米軍関係者たちの、沖縄県民の苦衷に少しでも寄り添うべくなされた、懸命な諸努力があり、妥協の産物でもあった。
その直後、橋本政権を倒した小泉政権は、同じ自民党員であるにもかかわらず、橋本氏に反発するかに見えるもろもろの動きをした。基地問題もきちんとフォローアップしなかったし、遺族の方々の福祉・厚生などに地道な尽力をしていたと仄聞する靖国の遺族会会長の橋本氏をdisgraceするために、靖国参拝を重ねた。これで当時の中国の知日派の胡錦濤政権は、内部で強烈にたたかれ、対日強硬路線にシフトせざるを得なくなった。
当時、日本の経済界は、長年にわたり「おんぶに、抱っこに、肩車」体質の中国に苦しめられ、それでも日本側の地道な協力貢献により、少しずつ中国経済が回転しだし、成果が上がってきて、さあ、これから刈り入れと思う矢先に、営々と築き上げてきた日本の諸努力の結果を、この小泉総理の対中外交は、一挙に崩壊させてしまった。その頃、浮上しだしていた中国各地の大型経済案件やインフラ整備などで、日本企業の参加がことごとく排除され、漁夫の利を得た欧米諸国を喜ばせる結果となった。メア氏は、沖縄総領事時代に、那覇市長だった翁長氏と会っていて、翁長氏が辺野古への基地移設も日本安全保障体制も支持していたと述べている。
私の福井県の友人は、「大都市のために、福井県民が損な役割を負わされるのは御免だが、中国はじめ多くの途上国が原発設置に動き出している状況下で、アジアで日本のみが原発を止めて、日本の原子力関係の技術、人材をなくすことは大いに危険であり、またこうした国々で万一事故など起きた場合、必ずや日本が培った知識経験が必要になる。中国で2000年代初め、感染症SARSが蔓延した際、日本は国立感染症研究所の専門家たちの派遣はじめ、ハード面、ソフト面で惜しみない援助をした。このことに対して、党機関紙の『人民日報』などで、温家宝総理は深い感謝の言葉を述べている。一部の人たちの言い分のみを聞いて、今日本の原発を全廃した場合、ドイツなどと違い、隣国の電力配給を受けられる環境でもなく、病院などが電力不足で、子供の治療も満足に行え得ない状況になったら最悪だ。将来の原子力技術の進展に期待して、いまは原子力と共に生きる道しかないのかも知れない、ただ、大都市の人間に忘れてもらいたくないのは、原発関連への補助金などの物的支援は、長い目で人々の精神を荒廃させてしまうことだ」と述べている。この言葉と、6月7日付けの姉妹e-論壇「百花斉放」に掲載された松井啓氏の投稿「時間稼ぎで核軍拡に励む中国」の内容は、深く考えさせられる。
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