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2015-06-10 00:00
中国の軍事的野心を摘み取る枠組み作りを
鈴木 馨祐
衆議院議員
シャングリラ会合やサミット、様々なところで問題となっている中国軍の南シナ海での行動。埋め立てもかなり進んでおり、かつ軍幹部もそれらについて軍事目的の行動であるような発言をちらほら行っていて、極めて憂慮すべき状況になっています。日本にとっても、南シナ海で起こっていることは次には東シナ海で起こる可能性が高いわけで、注視しておく必要があります。具体的に注視すべきは、既成事実化に向けた中国の手口とアメリカの具体的な対応、そしてそれに対する中国の反応です。これはある意味で中国問題であると同時にアメリカの安全保障・外交の問題でもあります。
中国が本気でリスクを恐れずに様々な形で既成事実を作りに来た状況で、アメリカがメッセージだけではなく行動でどこまで対応できるか。そしてその根底にあるのは、アメリカが場合によっては軍事行動も辞さないという覚悟を、アジア地域における覇権をめざす中国の行動に対して持てるか否かということでもあります。同時にこのことは、アメリカを東アジアにつなぎ止めておくことが出来るか、そのための環境整備に向けた最大限の努力を日本が行えるかという、われわれが現実的に突きつけられた課題でもあります。集団的自衛権の問題をはじめとした法的な整理、そして沖縄の基地をはじめとした地域の公共財としてのアメリカ軍をバックアップすることをはじめとして、進めるべきものが多くあります。
南シナ海・東シナ海での中国軍の行動・軍備増強を客観的に分析すれば、中国はもはや本気でアメリカの軍事的影響力を西太平洋から排除しにきているとしか考えられません。今後数年間のアメリカの行動が東アジア地域の将来像を左右すると言っても過言ではありません。少し前、中国が防空識別圏(ADIZ)を設定したとき、アメリカ軍はその直後B52をその空域に飛ばし、これを認めない姿勢を行動で明確にしました。初期段階でこの様な意思表示をしたからこそ、中国もそれ以上の軍事的なエスカレーションを控えた。
もしアメリカが何のアクションもとっていなければ、中国はさらに挑発行為のレベルを上げて、実際の軍事衝突を伴いかねない状況になっていた可能性もあります。周辺国やアメリカの不作為が中国の行動を助長し、そのことで緊張が取り返しのつかないレベルにまで上がっていく、このような悪循環は明確に拒まねばなりません。アメリカではこれから大統領選も本格化します。東アジアの安定・平和にどの程度真剣にコミットするか、そのことがアメリカの国益にとってもどのくらい死活的なことなのか。こうした点も含めて、日本や他のアジア諸国からアメリカへの働きかけを行うことも重要です。日本としても、東アジアの安全のため、他のアジア諸国と連携を強化して、アジア全体で中国の軍事的野心とその危険の芽を早い段階で摘み取る枠組みを作るべく努力せねばなりません。
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