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2015-06-05 00:00
翁長の狙いは反基地闘争の盛り上げ
杉浦 正章
政治評論家
馬の後ろに回れば蹴飛ばされることを元々承知で、やはり蹴飛ばされたが、沖縄県知事・翁長雄志は一体何を狙ったのだろうか。九分九厘、辺野古移転反対派の同情を買い、闘争を煽動することだ。その意味では、翁長が莫大な県予算を使って大デレゲーションで訪米した効果は、対沖縄向けにはあるのかもしれない。しかし、明らかになったのは、基地反対闘争のアジテーターという究極のポピュリズム政治家の実像であろう。まるで労組トップが「社長に言ってやった」と闘争を盛り上げるように、訪米は基地闘争激化への弾みをつけることを目的としている。米政府ははっきり言って利用されたこと自体にむかついているだろう。
奇妙なことに、米側は、会談が終了すると間髪をおかずに会談内容を「声明」として文書で発表した。国務省、国防総省はもちろん上院軍事委員長・マッケインまでそうした。これは片言隻句が反米指導者などに活用されるのを避けるための手段であり、翁長の“意図”は完全に見抜かれていたと言うことだろう。米政府は「普天間基地の辺野古への移転は日米不動の約束で、唯一の解決策」で一貫し、マケインはこれに「在日米軍の今後については全て安倍政権と取り組む」と付け加えた。言うなれば「外交権のない自治体の長など相手にしたくない」ということだろう。米政府のいら立ちは、新アメリカ安全保障センター上級顧問・パトリック・クローニンの「アメリカ政府にはパンドラの箱を開ける余裕はない。知事は一体何を期待しているのか。我々だけで話をしてあの政策を変えようなどということになるわけがない」という言葉に込められている。
それでは何しに行ったかといえば、翁長の言葉を分析すれば明白だ。「米側の理解が深まった。間違いなく前進している」とイケシャーシャーと述べるかと思えば、「暗中模索の中から一筋の光が見えてきた。私たちが望んだものに近づいている、としっかり感じた」と極めて文学的抽象的に成功を印象づける表現をした。この言葉にいくら人が良いといっても、沖縄県民がだまされるだろうか。普通の県民なら「嘘をつくな。予算を湯水のように使ったからその言い訳か」と言うであろう。官房長官・菅義偉の「米国まで行ったのだから、辺野古移設が唯一の解決策であることを認識しただろう」が正鵠(こく)を射た物の見方だ。しかし、そう言わない勢力もいる。辺野古移転闘争にしゃかりきとなっている反対派運動家たちだ。翁長雄志はそこに向かって狡猾なる球を投げているのだ。秋口に向かって本格化する基地反対闘争に向けて、移設反対の闘争を「鼓舞激励」することを狙っているのだ。今後の翁長の戦術はおそらく次のようなものを描いているのだろう。まず6月16日開催の県議会で埋め立て資材の搬入規制条例を成立させる。同条例に基づき埋め立て阻止に動く。次に、前知事の仲井真弘多の埋め立て許可承認手続きを検証している第3者委員会と称するお手盛り委員会に、許可取り消しを提言させる。その上で翁長が7月下旬までに承認取り消しを決定する。それでも政府が埋め立てに踏み切る場合には、地裁に工事差し止め仮処分を求める訴訟を超す。そして県民投票を実施して埋め立ての是非を問う。こうした闘争方針が固まっているからこそ、ここで反対闘争を扇動する必要があるのだ。
これに対して政府は、不退転の決意で埋め立てを実施することになろう。その時期は今のところ秋口と見られている。翁長の訪米は、はからずも自身が偏狭で国の安全保障など露ほども考えておらず、ただただ反基地闘争を盛り上げる事だけを狙っていることを露呈したものであり、このペースに惑わされるべきではない。沖縄100年の計のためにも、人身事故を起こさない事に配慮しつつ、埋め立てを実施に移すべきだろう。死傷者が出れば移設は大きくとん挫しかねないのであり、ここは自衛隊の大型運搬用ヘリをフル活用した空輸作戦を導入すべきであろう。「史上最大のヘリコプター作戦」を展開することだ。知られていないが自衛隊のヘリの輸送能力は世界最大規模であり、大震災でも大変な活躍ぶりを見せた。自衛隊は輸送用中型ヘリ「UH―60ブラックホーク」を28機、大型の「CH-47チヌーク」を70機保有している。ブラックホークは積載量1.2トンであり、チヌークは9トンも運べる。機体下面の吊り下げ装置で吊り下げて、移動することが可能だ。空飛ぶ10トントラックだ。ヘリで「奇襲」するのが一番よい。
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