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2015-04-10 00:00
(連載2)中国型アジア銀行への加盟が正解
中村 仁
元全国紙記者
世界銀行のキム総裁は「アジア・インフラ銀行が必要なのは疑いがない。設立や運用面で世銀として喜んで連携していく」と述べました。著名な経済学者のバーグステン教授は「日米が反対するのは間違い。今のアジア開発銀行の理事会システムは決済に時間や手間がかかりすぎている」などと批判しています。米政府も「困ったことになった」と思いつつも、最終的には中国構想に深く関与していくほうが国益にあうと判断することでしょう。
対中感情、対中不信にひきずれてきた安倍政権も、焦ってきましたね。「加盟が50か国以上にのぼるとは誤算だった」、「G7(先進主要国)は入りませんといっていた財務、外務省の見通しは甘かった」という批判が吹き出しています。なにがアジアの将来にとって有益なのかという基本的な判断をせず、回りの様子をもっぱらうかがってきたことを反省しているでしょう。中国の脅威は不可避であり、むしろ広いアジア経済圏のために引き込むことこそ考えるべき課題です。
政府がアジアインフラ銀行について、評価できる点、懸念される点などを比べた対処方針が報道されました。「資本金が1000億ドル(12兆円)として、日本が参加した場合の財政負担は3600億円」、「中国の影響力拡大による恣意的な運用、開発金融の国際基準の混乱が懸念。日本の関与が必要」などとしています。ここまで検討したからには「はやり加盟しません」とはならないでしょう。 財政負担が大きいといっても、日銀は年間で80兆円の長期国債を市中から購入し、事実上の財政ファイナンス(財政支援)をしています。その金額と比べてみてください。しかも、新銀行はお金を贈与するのではなく、融資するのです。出資した資本金がすぐになくなるというのではありません。
かりに中国が4兆ドル近い外貨準備高の一部を銀行設立にまわすとしても、新銀行の資本金の中国負担分の比率は微々たるものです。ドル建ての拠出なのか自国通貨建てなのかも未定です。ドルを拠出すると、その裏づけの人民元を市場からひきあげるのでデフレ効果を生むという論評を見かけました。しかし、インフラ整備に伴い、中国から機器材を輸出すれば、すぐに元がとれます。要するに、あまり微細なことを気にしないことです。(おわり)
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