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2015-03-17 00:00
多数派となった共和党の暴走
川上 高司
拓殖大学教授
アメリカ議会が単独でイスラエルの首相を議会演説に招待したが、バイデン上院議長は欠席、オバマ大統領も首相とは会わないと拒否して歓迎していないという意志を表明した。だが、その意思表明に怯むことなく多数派となった共和党は、ますます勢いを増している。なにしろ共和党上院議員が、イランの指導者に向けて手紙を送ったのである。その内容は、現在オバマ政権が進めているイラン核交渉について「アメリカ議会は断固として阻止する」というものだ。この手紙には47名の共和党議員が署名した(7名は署名を拒んだ)。
議会が大統領や国務長官に外交政策について異議を唱えたり、上院で決議をすることはあった。ネタニヤフ首相を招待したのも100歩譲って許容できた。だが議会が直接外国の指導者に、現政権の外交交渉を阻止するという意志表明をしたのは前代未聞だろう。 議会の歴史専門家によれば「およそアメリカ議会創設以来初めてのことであり、おそらく今後200年間は起こらないであろう」ほどの、衝撃的な手紙と受け止められている。
イランは核交渉を進める一方で、ISISとの闘いにおいてイラクでは存在感を高めている。イラン革命防衛隊の支援を受けてイラク軍はISISの支配地を奪回しつつあり、イランの支援なくしてはISISの勢力を止めることは不可能という現実がある。そうなれば、この地域でのイランの影響力が増すことは間違いない。共和党の危惧は中東地域でのイランの存在感が増すことにある。
ケリー国務長官は「イランの影響力が拡大しないように気を配っている」と釈明し、ディンプシー統合参謀本部議長は、「ISISに対抗できる力があるなら誰が(ISISとの戦闘を)やってもいい」と、さらに現実的だ。ISIS問題がシリアやイラクなど外交政策の問題ではなく議会との確執という国内問題に転換すれば、アメリカの外交政策はますます迷走し国際社会も影響を受ける。残り2年はオバマ政権にとって想像以上に厳しいものになりそうである。
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