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2015-03-06 00:00
国際政治における韓国の最近の動きについて
鈴木 馨祐
衆議院議員
周辺国との関係は常に困難や緊張を伴うとはいえ、日韓関係が極めて複雑なものという点で異論がある方は少ないと思います。私としては、外交とは感情を一切排除し国益を最大化すべきものと考えていますので、その意味において、韓国は自由や民主主義という価値にしても中国や北朝鮮等との関係においても本来的に日本やアメリカと同じサイドにいる国であって、日韓は基本的には協調すべしと考えています。
その中で、安倍総理が日韓首脳会談を再三にわたり呼びかけていること、日韓関係の強化のために歴史問題も含め様々な努力をしていることは高く評価されるべきであろうと思います。少なくとも日本側としては日韓関係を前に進めるための様々な努力をしている点は、国際的にも理解が拡がってきているという印象を受けています。(それに水を差す可能性がある、韓国側の一方的な主張に迎合するような一部政治家の最近の行動はその意味でも許されるものではありません)そして、日本を国際的に孤立させ、アメリカを地域から駆逐することで、自らのアジアにおける覇権を実現しようという基本戦略を描き実行している中国とは、韓国は根本のところで国益の一致を見ない、というのが日本アメリカをはじめとする多くの自由主義国家の共通認識でした。
現在の朴大統領に政権が変わり、李大統領の末期から続く反日姿勢も、あくまで両大統領の日本とのパーソナルな関わりの中で反日のポーズをとらざるを得ない国内政治事情によるものと、日米の外交担当者は考えてきたと思われます。しかし、最近の韓国政府あるいは大統領の様々な発言や行動から考えると、この様な危惧を抱かざるを得ません。韓国は根本のところで、国の立ち位置を日米サイドではなく、中国寄りに、あるいは中国サイドとまで言わないまでも日米と中国の中間の中立的な立ち位置に変えようという決断をしたのではないかと。産經新聞前ソウル支局長に対する露骨な言論弾圧事件なども、言論の自由という大原則の価値を否定するものに他ならず、自由、民主主義の国々からは一斉に非難されてもなお言論弾圧を続けていることからしても、韓国の路線転換を物語る一つの証左かもしれません。
確かに、現在の韓国の国益・国際情勢を考えれば、これは多くの韓国の方も韓国は中国ではなく日米の側に立つべきだと考えていると思いますが、歴史的な経緯を考えれば、中国とのあまりの近さ故に常に脅威にさらされ侵略され続け、長い間衛星国のような立ち位置で中華圏を構成していた、という事実もあります。結果的にそれが「中国が父親で韓国が兄で日本が弟」という韓国の多くの人の独特な考え方を醸成したわけでもあって、今の日本と中国への反応の違いを考えればその考えが根強く残っている面も否定できません。であるとすれば、冷静に考えれば韓国にとっても不利となりうる国際情勢の中でのスタンスの変更を感情的に行ってしまうことも、あり得ない話と片付けるわけにいかないかもしれません。アメリカの国務省の幹部からも今の状況への懸念の声も出ているようです。日本としても今後日韓関係だけではなく、日米韓中の多国間の関係の文脈で韓国の動きというものを冷静に分析していかねばなりません。
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