ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2015-02-21 00:00
財政再建は今出来なくていつ出来るというのか
鈴木 馨祐
衆議院議員(自由民主党)
自由民主党本部に財政再建に関する特命委員会が立ち上がり、政府与党での取り組みが加速化することが期待されます。財政に関してはいくつか忘れてはならない視点があると私は思います。まず、日本の財政を取り巻く環境として、今ほど恵まれている時期はそうはないということを肝に銘じておかねばならないという点です。現在、日銀が大胆な金融緩和を実施する中で、中央銀行である日銀が、日本の国債の大半を実質的に引き受けているといっていい極めて稀な状況です。デフレマインドが抜けきっていない中で、民間金融機関なども国債の購入・保有を続けており、ある意味で長期金利が人為的に抑えられている環境にあります。現在の日本の財政環境で、長期金利が0.3%台というのは極めて異常な状況であり、「人工的」に押し下げられていない限りあり得ないものです。結果として、国の借金の利息の払いがかなり低く(毎年10兆円レベルで)抑えられている、この点を忘れるわけにはいきません。
そして、税収という点においても、安倍政権が発足して2年あまりが経過する中で、少なくともマクロでの経済情勢は企業収益の水準も含めてそれなりのレベルになっています。更に約20年ぶりに消費税の税率の引き上げを実施したところでもあります。結果として、税収を見てみれば、2014年度で54.5兆円とバブル期に近い水準にまで回復しており歴史的に見てもかなり税収が多い状況にあります。かつ、リーマンショック後のような世界的な景気後退局面にあるわけでもなく、政府が需要を創出せねばならない状況にはありません。まさに、金利、税収、経済状況のバランスで考えれば、これほど恵まれている時期はかつてなかったと言ってもいい。プライマリーバランスについても、あるいは歳出という観点からも、この数年で抜本的な改善が出来なければ、今後経済情勢も不透明な中で我が国は早晩破綻に追い込まれかねないと思われます。
我々はまさにその危機感の下で財政健全化に向けて必死の努力をせねばなりません。プライマリーバランスの議論についてはまた日を改めて書かせていただきたいとも思いますが、忘れてはならないのは、リーマンショック前、2011年に黒字化を達成すると表明し、その後リーマンショック後の緊急の需要創出のために一時的に増えた歳出が、結果的にその後の民主党政権の社会保障費の膨張政策もあって戻らなかった、という歴史的な経緯です。一時的だったはずの歳出増が恒常化してしまい、結果として2011年のPB黒字化達成目標が、本来であれば2、3年の遅れで出来たはずが、2020年まで先送りされ、更に消費税の増税をしたにもかかわらず、その2020年の目標までもがその達成を危ぶまれているというのが今の状況です。今なお、社会保障を中心に政治家からの歳出圧力が与野党問わず極めて強く、まさに財政が緩んでいるといっていい状況が続いてしまっています。
いつかは我々一人ひとり、国民一人ひとりがそのツケを払わされることになります。他に誰もその負担を肩代わりしてくれる人はいませんし、経済成長だけで歳出減も増税もせずに破綻から逃れられるといった旨い話があるはずもありません。残された時間がわずかであること。そして、今ほど恵まれた時期はない、今やらないでいつやるのだという危機感を持って動き出さねばなりません。政務官ということで政府側にあるため、所管や立場による制約が極めて多い中ではありますが、そんなことを言っている場合ではありませんので、全力で力を尽くして行きたいと思います。
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会