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2015-02-01 00:00
残り2年のオバマ政権の行く先
川上 高司
拓殖大学教授
オバマ政権は、イラクへ第82空挺部隊から1000人をイラクへ派遣する予定である。主な任務は「イラク軍の養成」であるとされている。すでに250人がイラクに派兵されているので、オバマ政権は「増派」したのである。この1000人は、実は昨年12月にオバマ大統領が1500人をイラクへ派遣すると発表したその一部である。ISISはイラクやシリアで勢力を強め、カナダ軍とは実際に衝突している。こうして少しずつ米軍の派兵が増えていけばやがてISISと米軍が衝突する可能性は高まり、そうなれば米軍が再び泥沼の戦争へと足をとられていくことは容易に予測できる。
2001年以降、主にイラクとアフガニスタンで使われた予算は総額で1.7兆ドルとなった。支出が突出したのは2008年で、それ以降は段階的に減少傾向にある。全体は減少したにもかかわらず急激に伸びているのが、帰還兵に関わる支出である。退役軍人局ではイラク、アフガニスタンでの退役軍人に関する支出は2007年から発生し、当初は10億ドルだったのが2014年には40億ドルにはねあがっている。
昨年12月31日をもってアフガニスタンでの米軍の任務か完了した。国防総省が負担するコストは確実に減少している。だが前線に行った者にとっては戦争は終わらないのである。この先何年もその負の遺産をアメリカは背負っていかなければならない。
1月のピューリサーチセンターの世論調査では、国民の関心事のトップにテロが、経済問題に取って代わった。オバマ大統領就任以来初めてのことである。国民が内向きになり内政重視の世論が強く2012年には81%、外交を重視すべきと考えたのはわずか9%だった。それがいまでは内政重視は67%まで下がり、外交に力を入れるべきだと考える国民は20%にも激増した。アメリカの復活を予感させる世論だが、再びアメリカは世界に関与を強めるのか、そうであるならば「世界の警察官」から降りたオバマ大統領の国際協調主義と孤立主義はどこへ向かうのだろうか。残り2年の任期から目が離せない。
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