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2014-11-01 00:00
消費税率の10%への引き上げについて
鈴木 馨祐
衆議院議員
消費税率の8%から10%への引き上げをめぐって、様々な動きが活発化しています。私としては、当然暮らしも経済状況も厳しい中であるから、増税しないに越したことは無い。しかし2035年の消費税率を20%以下に抑える為には、今の経済状況であれば引き上げはやむを得ない、と考えています。消費税率の引き上げをすれば、内閣支持率や当面の景気にとってはマイナスとなる、それは、どのような景気状況であろうとも避けることは出来ないと思われます。しかし、今の日本の財政の状況を考えたとき、そして、将来の負担をどうやって最小限に抑えるかということを考えたとき、自然増1兆円といわれる社会保障費をどうやって抑制するか、に加えて、金利負担、利息の払いを最小限に抑えることが不可欠です。
過去の歴史を振り返れば、不安の連鎖が一瞬にして金利の暴騰に繋がることは度々起こっています。特に日本国債の市場が世界で最も歪んだ状況にあるのは事実ですし、当面の長期金利はセカンダリーの受給で決まる、そしてその市場は大半が外国人の投資家で占められている、という事実は忘れるわけにはいきません。プライマリーバランスが黒字だったイタリアですら、不安の連鎖の中で金利の急上昇に直面したことは記憶に新しいところです。そのような事態ともなれば、金利1%上昇するごとに毎年10兆円以上、消費税にして5%分の負担に相当するの利払いの負担が追加されてしまいます。
何の改革もせず、金利も上昇してしまえば、2035年には消費税の税率が35%以上になってしまいかねません。そのような将来の大増税といった事態だけはあらゆる手段を講じて避けねばなりません。我々が将来に責任を持つ政治家として今考えねばならないのは、来年末の税率ではなく、20年後の増税幅をどうやって最小限に抑え込むことが出来るかに向けた具体的な方策です。となれば、我々の選択肢はもはや、消費税率の引き上げをするかしないかではなく、消費税率の引き上げをした場合のマイナスの影響をどうやって最小限に抑えることが出来るか、に他なりません。
実際、2011年のイギリスの付加価値税の引き上げにおいては、様々な売り上げ等の指標においてマイナスの影響は極めて小さくて済んでいる、という事例もあります。我々が正面から取り組まねばならないのは、その検討でなくてはなりません。必要な改革を進め、経済の基調を拡大方向に転じ、金融政策も含めた必要な対策を打ちながら消費税率の引き上げをスケジュールどおりに進める。極めて細い道筋ですが、そこを通りきるしか、我が国が荒波を乗り越えていく方法はありません。今年の前半で道筋をつけることに成功した法人税減税もその一つですが、他にも様々な懸案が山積しています。今後の様々な政策議論の中で、しっかりと進めていきたいと思います。
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