ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2006-11-04 00:00
連載投稿(1)「岡倉天心アジア大賞」の創設を提案する
山下 英次
大阪市立大学大学院教授
残念ながら、日本は、これまでアジア地域統合に関する取組み姿勢において、他のアジア諸国を失望させてきた。今後、日本は、他のアジア諸国から見直されるように、積極的な姿勢に転換していかなければならない。その象徴的なものとして、日本政府が、「岡倉天心アジア大賞」を創設し、アジア地域統合の進展に際立った貢献を果たした人物を顕彰することを提案したい。
岡倉天心は、1903年、『東洋の理想』を上梓した。「アジアは一つである」とする一文で始まる同書で、天心は、アジアを歴史的には、孔子の共同社会主義の中国文明とヴェーダの個人主義のインド文明の影響を受けた地域であると考える。しかも、天心は、この本を、ロンドンで英語で出版したのであり、いわば国際的な場でアジア地域統合の思想を発表したのである。
「岡倉天心アジア大賞」の創設によって、アジア地域統合の思想は、100年以上前の日本人にあることをアジア全域に知らしめることが出来るであろう。実は、ヨーロッパにも、欧州統合の進展に際立った貢献を果たした人物を顕彰する「シャルルマーニュ賞」がある。その第1回目の受賞者の栄誉は、今日「欧州統合の父」といわれるリヒャルト・クーデンホーフ・カレルギーに与えられた。よく知られるように、彼は半分日本人であった。リヒャルトの父ハインリッヒは、オーストリア=ハンガリー帝国の外交官として東京に赴任した折、青山光子と結婚し、二人の間に生まれた次男がリヒャルトである。ちなみに、リヒャルトは、栄次郎という日本語名も持っていた。このように、「欧州統合の父」は半分日本人であり、「欧州統合の父の母」は日本人女性なのである。つまり、欧州統合には、日本人の遺伝子が組み込まれているとも言えるのである。(つづく)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
東アジア共同体評議会