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2014-09-17 00:00
刻々と迫るISISの脅威に打つ手なしのオバマ
川上 高司
拓殖大学教授
クルド人自治区のISISへの空爆を開始して1か月以上経つが、状況は進展せずかえってオバマ政権は追い詰められている。オバマ政権は、イラクのマリキ首相に代わり新しい首相が誕生し、政治改革によって状況が改善するのを期待していた。だが、ISISに拘束されていたアメリカ人ジャーナリスト、ジェームズ・ホーリーが処刑される動画がネット上に流れ、オバマ政権の動揺は隠せない。本気でISISを殲滅しないとアメリカへの脅威が高まる、とオバマ大統領への圧力が強まっている。
ディンプシー統合参謀本部議長は「イラクだけでなくシリアも含めた包括的な戦略がなければISISを押さえ込めない」と発言した。確かにISISの支配地域はイラク西部とシリア東部にまたがり、戦闘員は自由に往来している。イラクを空爆しても彼らはシリアに逃げるだけである。シリアを攻撃対象に含めるには、オバマ政権が退陣を求めるアサド政権との協力関係を構築することが必要である。アサド政権と協力することはアメリカが支援してきた反体制グループを裏切ることを意味する。
さらにアサド政権を支援するイランはもちろん、ロシアの協力も不可欠である。イランはともかくロシアとはウクライナ問題で険悪な関係に陥っている。また、周辺国の協力も必要である。サウジアラビアとの関係がぎくしゃくしているが、ISISと闘うためには関係の改善が必要であろう。
そしてなによりも10年を超えるイラク戦争からようやく撤退したにもかかわらず、再び関与することになるとするならば、国民に納得してもらい世論の支持を得なければならない。そしてシリアへと戦域が拡大することも覚悟しなければならない。おそらくオバマ政権の中での最も難しい局面となるであろう。
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