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2006-10-27 00:00
3極会合の前提は強固な日米関係
大西 健
大学生
8月4日付け「CEACコラム」に掲載された白石隆氏のの論説「日米中3極会合を」について私見を述べさせていただきたいと思います。白石氏が述べるとおり、日米中の3極会合は今後の東アジアの安定のために、中国が一方的な行動をとらないよう、関与していく仕組みとして非常に有意義なものです。まず、日米中の3国関係を考えたときに、基本的な認識となるのは日米が現状維持国家であり、中国がチャレンジャーであるということです。中国が現在の世界および東アジアの戦略環境を変えたいと思っていることはまず間違いありません。日本は現状維持国家であり、チャレンジャーである中国による現在の戦略環境の変革を可能な限り小さくとどめておきたい立場にあります。変革が起こることが避けられない以上、3極会合は中国のチャレンジをうまく軟着陸させる場とするべきです。
そのためには、日本と同じ現状維持国家であるアメリカとの緊密な協調が欠かせません。現在は非常に友好な日米関係ですが、この現状に安住することは危険です。アメリカで実施される世論調査の結果を見ると、中国の存在感が非常に大きくなってきていることが判ります。中国は著しい経済発展による経済的な存在感だけでなく、6カ国協議の議長を務め、一定の成果を挙げるなど政治面での存在感も増しています。もちろん、アメリカにとって同盟国である日本の重要性は中国よりも遥かに大きいですが、日本がアメリカを必要とする度合いに比べたとき、やはり不安にならざるを得ません。
在日米軍の再編も最終報告が取りまとめられたとはいえ、その実現はこれから長い年月をかけて行われます。基地移転先の地元との調整を含めまだまだ解決すべき問題が存在し、基地再編がすんなり実現するかどうかはまだ分かりません。その他に米国産牛肉の輸入問題など、日米間にも摩擦の種は多く存在しています。グローバルな視点から、自らの利益を追求するアメリカが存在感を増す中国を重視し、日本の望まない形で中国との間で妥協を模索する、あるいはさらに積極的な役割を中国に担わせるという行動を取ることも可能性として排除するべきではありません。こうなれば、日米中3極会合の日本にとっての意味は大きく損なわれてしまいます。
日米中の3極会合を行うにあたっては、日本はまず日米関係を強化・維持し、3極会合において日米共通の利益を基に中国に関与できるだけの前提状況を整える必要があると考えます。現在の日本は、やはり自らのイニシアティブで何かを成し遂げるという姿勢が欠けています。アメリカにとって必要不可欠なパートナーとなるためには、自主性をもった主体とならねばなりません。そうすることでアメリカにとって必要不可欠な存在となり、より強固な日米同盟を築く必要があります。アメリカと中国という非常に強力な2つの国を相手に会合を持つのであれば、それくらいの心構えで取り組まなければ、日本の頭越しに米中が手を繋ぐという事態を迎えかねないと思います。
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