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2014-07-24 00:00
波乱要因を生み出すイスラエル
川上 高司
拓殖大学教授
6月中旬、イスラエルの10代の少年3名が誘拐された。イスラエルは必死に捜索していたが30日、ウエストバンク内で遺体となって発見され、イスラエル全土が悲しみにくれている。イスラエル治安当局は実行したのはハマスであり、実行犯2名を特定し現在追跡中であると発表した。ネタニヤフ首相も誘拐はハマスの仕業であると断言、「代償は払わせる」と国民に誓った。閣僚の中には強硬手段にでるべきだとの意見が出ているもののいまのところネタニヤフ首相は強硬意見を押さえ込み、閣僚会議は葬儀の後に設定したようである。イスラエル軍はすでに報復としてパレスチナ地区を攻撃したとの情報もあり、現地はかなり不穏な情勢に包まれている。
ハマスは実行犯とされている2名がメンバーであることは認めているが、指示をしたのがハマスであるかどうかについては言及していない。このはっきりしない状況でイスラエルがパレスチナに対して攻撃をエスカレートさせてきたら「地獄の扉が開くだろう」と、ハマス幹部は徹底抗戦を予告した。イスラエルとハマスとの熾烈な闘争が始まってしまえば、ただでさえ不安定なシリア、イラクを含む中東地域がますます混乱しかねない。ハマスはエジプトのムスリム同胞団に起源を持ち今でも彼らとの繋がりは強い。
イギリスのキャメロン首相は10代の少年の死を悼みつつ「イスラエルを全面支援する」と述べた。一方オバマ大統領は「子を失った親の悲しみは癒えない」と述べつつもイスラエルもパレスチナも「冷静に対処するように」と、エスカレーションに釘を刺した。
誘拐が発生して以来、イスラエル治安当局は400人近いパレスチナ人を片っ端から逮捕してきた。最悪の結果になってしまった今回の誘拐の代償が小さくないことは誰よりもハマスが一番よくわかっているだろう。それゆえに彼らもまた来るべき報復行為に備えているはずである。そうなれば予告通り地獄の扉が開くことになりかねない。オバマ大統領とネタニヤフ首相の関係はこじれているが、ネタニヤフ首相を説得できるのはアメリカしかいないのである。
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