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2014-05-22 00:00
(連載2)韓国のようなことなかれ主義に陥るな
高畑 昭男
ジャーナリスト
だが、ひるがえって日本はどうだろうか。中国による力づくの海洋進出の脅威は日本の尖閣諸島ばかりでなく、ベトナムやフィリピンと領有権を争う南シナ海でもにわかにキナくさくなってきた。訪欧した安倍晋三首相が北大西洋条約機構(NATO)本部での演説で指摘したように、中国の対外姿勢と軍事行動は「国際社会の懸念」であり、東シナ海、南シナ海で「力で現状変更を進めようとている」と批判した矢先の現実だ。
先月来日したオバマ米大統領から、日米安保条約第5条の対日防衛義務が「尖閣諸島を含む日本の施政下の領域全てに適用される」という言明を引き出したのは安倍外交の重要な成果といえる。だが、米軍の来援をあてにするだけでは、日本の領土主権や国民の安全を守れない。中国の武装漁民が大挙して尖閣諸島に来襲したり、ベトナム沖の西沙諸島近海で起きたように警備艇などの艦船が体当たり攻撃に出たりしても、組織的な武力攻撃とみなせない限り、現行法では日本の自衛隊が出動できないからだ。
15日公表された政府有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」報告書の重要性は、まさにそこにある。わかっていながら自衛隊を出せないようなグレーゾーン事態の「守りの空白」を早急に埋めるには、国内法の早急な整備が欠かせない。さらには、米軍との相互支援など日米同盟を強化充実するための集団的自衛権の行使容認に向けて、一刻も早く行動する必要がある。
せっかくオバマ氏が安保条約履行を約束しても、まずは日本が自らを守る責任を果たさなければ、米軍も助けにはこない。政権・与党内の一部には強い抵抗があるが、旧弊の憲法解釈や「体面」などにこだわっている間に、隣国のようなことなかれ主義に陥らないかが心配だ。安倍首相には最悪の場合は連立を組み替えるぐらいの覚悟と決断を示してほしい。一国平和主義の誤った伝統や「カッコ」にこだわる人々を相手にしていては、国難を救えない。(おわり)
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