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2014-04-24 00:00
「『尖閣に安保適用』のオバマの戦略の狙い」を読んで思う
中山 太郎
団体非常勤職員
本日付の本欄への杉浦正章氏の投稿「『尖閣に安保適用』のオバマの戦略の狙い」を読み、いつもながら、杉浦氏の論述は素晴らしい。オバマ米大統領の来日の狙いを、明確に鋭く解説してくれている。触発されて一言述べたい。
米国の対中戦略の基本は、台頭する中国との軍事衝突を回避しながら、米中相互依存関係を強めることにある。これが、冷戦時代の対ソ連との対峙との大きな違いだ。80年代は、米中と日本の関係の黄金時代であったと説く識者がいる。このことは、ソ連という「共通の敵」が存在したからだといえよう。中国は、ソ連が本当に攻めてくるとの危機感を持っていたのだ。
オバマ自身の米国内での不人気に加え、米国民も第2次大戦後以降、だらだらと「もぐらたたき」的に長期に続く戦争や紛争処理に、自国の若者を犠牲にすることにほとほと嫌気をさしてきているのだ。今回のオバマのアジア歴訪をめぐる米の論説には、戦後一貫しての日本の金は出すが血は流さないというやり方を揶揄するものもある。「Pariah」(社会ののけ者、嫌われ者)との用語を使用したりもしている。識者が述べるように、日中関係とは日米関係であり、日米関係は日中関係と連動しているのだ。オバマは、読売とのインタビユーで「中国に関して言えば、(省略)共通の利益にかかわる課題で共に取り組むことができるという私の信念、そして、回避できなくはない紛争に陥る危険を食い止めねばならないという信念」とも述べている。
中国の強硬な海洋進出の流れの前に、尖閣問題は、焦眉の問題になってきているのだ。日本が、真の平和な東アジアを構築するために、万一尖閣諸島占拠などの事態には先ず自国で対応する、との精神的物質的気構えがなければ、米国はウクライナと同じように経済制裁だけでお茶を濁すこともありうるのだ。そして、オバマと同じように、いやそれ以上に国内の支持率を落としている朴韓国大統領は、米国の「日本なくして韓国の安全確保は万全でない」との方針にどう対応するのか、注目されるところである。
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