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2014-03-22 00:00
国防費削減と基地再編で強くなる米軍
川上 高司
拓殖大学教授
国防総省は総力をあげて予算削減に取り組んでいる。人員の削減によって、米軍は第二次世界大戦以来最少の軍となる。その一方で国防総省は基地の閉鎖に踏み切ることにした。アメリカではたびたび「基地の閉鎖および再編」つまりBRAC(Base Realignment and Closure)が行われてきた。
最近では2005年に実施された。改善と効率化では右に出る者がいないほどの辣腕ラムズフェルド国防長官の下で、無駄な基地は容赦なく閉鎖された。総コストは350億ドルで、そのうち改革には290億ドルが使われ、効率化に使われたのは60億ドルだった。その効果は、改革によって年間10億ドルのコスト、効率化によって年間30億ドルのコスト削減が実現している。この数字から基地の維持費がいかに高額で予算を圧迫していることが伺える。
陸軍では余剰施設がまだまだ多い。さらに人員が減少するのでますます余剰施設が増える。BRACには事欠かない。空軍も2005年のBRACでは対象外となった施設が少なくないため、やはり対象施設には不自由しない。海軍もしかりだという。要するに軍全体で無駄が多すぎるからごっそり無駄をそぎ落としてスリムで効率のよい軍にトランスフォームする、というのだ。この米軍の未来像はかつてラムズフェルド国防長官が「21世紀の米軍のあるべき姿」として目指したはずだった。
さらに2015年予算では66億ドルの建設予算が請求されているが、これは前年度に比べて40%もカットされている。余分なものは処分して新しいものは作らない。究極の無駄を省く実に基本的な戦略である。この削減によって米軍の能力が低下すると懸念する反対意見もある。だが、海兵隊を見ればわかるように無駄を削ってこそ強くなるのが米軍である。軍事力の一強時代は当面続きそうである。
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