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2014-03-18 00:00
オバマ大統領のパレスチナ政策
川上 高司
拓殖大学教授
イスラエルのネタニヤフ首相はオバマ大統領と3月3日に会談した。オバマ大統領とネタニヤフ首相の間には冷たいすきま風が吹き込んでいるが、その隙間を埋めることはどうやら困難なようである。さる2月27日、ブルームバーグ誌はネタニヤフ会談に先立ってオバマ大統領に単独インタビューを行い、その胸の内を聞いた。オバマ大統領がネタニヤフ首相に送ったメッセージは突き放すような内容だった。
イスラエルは、オバマ政権がウエストバンクへの入植を止めるように再三忠告したがまったく聞かずに入植を強行してきた。またシリア内戦においては、シリア国内やレバノン領域に一方的に空爆を行いシリア情勢をますます混乱させてきた。さらにイランとアメリカの宥和路線を阻むかのようにイラン制裁強化を米議会に働きかけてきた。イスラエルのゴーイング・マイ・ウエイにオバマ大統領もそろそろ我慢の限界に達したようである。
インタビューによれば、オバマ大統領がネタニヤフ首相に言いたいのは、パレスチナ問題の平和的解決を「いつやるの?今でしょ!。だれがやるの?首相でしょ!!」ということだ。もう時間はない。これ以上イスラエルが強行路線を続ければ国際社会からも地域からも孤立する。そのとき「アメリカはこれまでのようには擁護しきれない」と厳しい言葉をオバマ大統領は発した。
これまでアメリカはイスラエルの庇護者として振る舞ってきたが、そのアメリカがいよいよイスラエルを突き放さんばかりなのである。もちろんイスラエル内にも強硬派が存在しておりネタニヤフ首相は強硬派とオバマ大統領との板挟みになっている。それをわかった上でオバマ大統領は「首相がやるしかない」と指導力の発揮を求めている。常に現実的な結果を求めるオバマ大統領の厳しい一面を垣間見る思いである。
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