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2014-03-07 00:00
(連載1)「羽生・浅田モデル」でモノ作り復活目指せ
田村 秀男
ジャーナリスト
日本の各地で小さな試みながらも、「世界で初めて」を目指す若者たちによる地域の特性に合わせた産業を興す挑戦が相次いでいる。北の国で特定非営利活動法人(NPO)を運営する知り合いの若者から便りが届いた。2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、雪氷の冷熱を利用するプロジェクトの提案を行ったという。雪氷冷熱エネルギーで生産、貯蔵された食材を選手、観客ら食事として提供したり、雪氷による冷房を選手村や競技場施設の空調に使用したりするというもの。北海道ではすでに食材の貯蔵、ホテルや農業用温室の夏場の冷房などに実用化が始まったが、東京五輪の機会を利用して世界に広めようというわけである。
思えば、日本人の特性は、「世界初」あるいは誰も手がけなかった仕事に情熱を燃やすDNAにある気がする。敗戦時の荒廃から奇跡的に復興し、高度成長を遂げた最大の要因はそんな国民性にあるのではないかという仮説を、筆者は立てている。科学的な論証はできないが、状況証拠には事欠かない。
最近の超ド級の「世界初」業績は、京都大の山中伸弥教授による、iPS細胞(人工多能性幹細胞)であることは論をまたない。世界を驚愕させた理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーらのチームによる万能細胞「STAP(スタップ)細胞」については、論文に疑念が指摘されており、その学術的真価は関係機関の調査結果を待つしかない。が、彼女の「世界初」への奮闘が広く関係者から称賛されていることは心強い。
最もホットな世界初は何と言っても、ソチ冬季五輪の羽生結弦、浅田真央の両フィギュアスケート選手である。羽生選手は、4回転ジャンプにこだわり金メダルを手にした。その後の彼のコメントがすばらしい。今後は世界に先駆けて「4回転半」に挑戦するというのだ。浅田選手も、転倒や減点のリスクの方が成功の確率より高いのに、現在の女子選手では彼女にしかできない「トリプルアクセル(3回転半)」にこだわり続け、ショート・プログラムでの大失敗を乗り越えてフリーで成功させ、世界を感動させた。「世界初」には国境や人種を超えて訴えるものがあることを、彼女は無意識のうちに感知しているに違いない。だからこそ失敗の代償よりも、挑戦による満足を彼女は選んだのだ。(つづく)
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