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2013-11-12 00:00
(連載)通信傍受の効用を忘れるな(1)
高畑 昭男
ジャーナリスト
米国家安全保障局(NSA)がメルケル独首相など外国要人の通話を盗聴していた疑いが浮上し、オバマ米政権の旗色が悪い。話は日本にも広がってきた。だが、ありていに言えば、同盟・友好国を問わず、情報機関による盗聴や傍聴は今に始まったことではない。
冷戦終結後、ブッシュ父政権からクリントン政権にかけて、米情報機関はそれまで主な盗聴対象としてきたソ連や東側諸国に代わって、経済大国・日本を含む西側諸国に情報活動のターゲットを大きくシフトさせた。1992年当時、米中央情報局(CIA)長官だったロバート・ゲーツ氏(後の国防長官)も「今や最大の課題は国際経済だ。我々は外国政府・企業が贈収賄などの不公正な手段を通じて米国に不利益をもたらさないように監視し、支援できる」と、事実上の経済スパイといえる情報収集や諜報活動に力を入れる姿勢を米議会などでアピールしていた。
実際、私がワシントンに在勤していた94年にも、欧州のエアバス社がサウジアラビアに旅客機を売り込む際に同社とサウジ高官の賄賂交渉を米側が探知し、代わって米ボーイング社が受注に成功した事件が報じられた。またフランス国防産業が熱帯雨林監視に使うレーダー施設をブラジル政府に売り込んだ際には、事前に情報を傍受した情報機関の支援を得たとされる米企業が受注にせり勝った。
この当時、CIAの「産業スパイ化」とともに、欧州諸国から厳しい批判を浴びた存在が「エシュロン」と呼ばれる地球規模の通信傍受ネットワークだ。エシュロンはNSAや英国の通信傍受機関「政府通信本部(GCHQ)」を主体に運営され、携帯電話やインターネットを含む無線などあらゆるデジタル通信情報を傍受しているという。メルケル首相らの通話傍受にも深く関わっている可能性が高い。(つづく)
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