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2013-11-10 00:00
国防総省ネット評価局は生き残れるか
川上 高司
拓殖大学教授
国防総省の組織の片隅にほとんど注目を浴びることがない部門がある。総合評価局(Office of Net Assessment)は国防総省内のシンクタンクで、他の部署との交流もなければ報告書の公開もない。国防総省の軍事戦略を立案し、ただ国防長官だけに直接アクセスする謎に包まれた組織である。年間予算は1000万ドルで、国防総省全体の5250億ドルという予算からみればはした金であろう。それでも今厳しい予算削減を迫られている同省は、この秘密の部門を閉鎖するかどうかの検討に入った。
総合評価局には誰が属するのかも明らかにされていないが、局長だけははっきりしている。ニクソン大統領時代に就任して以来、13人の国防長官に仕えたのはアンドリュー・マーシャル局長、今年で92才になる超大物である。彼は国防総省内では「ヨーダ」(スター・ウオーズ)と呼ばれて崇められている。モスクワや北京の軍事戦略家からは絶大なる尊敬を集め、彼らはマーシャルの一言一言を拾ってその意味を分析してきた。それだけ彼の言葉は重要なのである。
総合評価局を閉鎖しマーシャルを退任させることに対しては議会からも反発が強い。一部の議員たちはただちにヘーゲル国防長官にマーシャル留任のお願いの手紙を送付し、元国防長官のラムズフェルドもマーシャルを追い出すことは「大きな間違い」と批判している。実は国防総省は過去にも同局を閉鎖しようと試みたが、猛烈なロビー活動で断念した。マーシャルが「ヨーダ」といわれるゆえんである。
冷戦時代から冷戦の崩壊、中国の台頭、アラブの春とまさに20世紀から21世紀の激変の時代の常に先端に位置していたマーシャルは文字通り歴史の生き証人である。ぜひ日の当たる場所に出てきて歴史の闇を語り継いでほしい。
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