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2013-10-29 00:00
(連載)国際金融マフィア、財務官僚と中川氏(2)
田村 秀男
ジャーナリスト
中川さんの発言があったのは、筆者のメモによれば、2008年10月20日である。10月11日のワシントンG7出席から帰国して一週間後のことだ。日経新聞は2014年9月29日付けで、当時の麻生太郎首相(現財務相)にリーマン・ショック時のことを聞き出している。それによれば、ブッシュ米大統領は日本時間の10月11日夜に麻生首相の秘書官の携帯に電話し、金融危機対策のためのサミットを開きたいと相談してきた。G8に中国、インドなどを入れたら、と麻生氏は助言した。そして11月14日から2日間、ワシントンで初の20カ国・地域(G20)サミットが開かれた。そのサミットで麻生首相は日本が100億ドルを国際通貨基金(IMF)に緊急融資すると約束した。
10月20日の時点で中川さんは当然のように、麻生首相からブッシュの電話と金融危機対策サミットの開催の件は知っている。「日本はキャッシュディスペンサーにならない」とのホワイトハウス向けメッセージは、サミットが開かれても日本は米国に言われるまま気前よくカネを出すつもりはないという、激しい反発気分が籠められているわけである。米国に限らず、国際金融市場はしかし、世界最大の資金の出資を、日本に強く期待していた。
上記の日経記事によれば、10月下旬に来日した米投資アドバイザーのリチャード・メドレー氏が、元財務官の内海孚と財務省国際局長の玉木林太郎氏と会食した際に、「英国のブラウン首相や投資家のジョージ・ソロスが、IMFの資金基盤を強化できないか議論している」と伝えた。内海氏は「日本がまず動き、流れをつくるべきだ」。そこで玉木氏は東大同期で旧知の中川氏と話し合って1000億ドル融資提案が決まったようだ。
この記事通りなら、やはり国際金融マフィアの代理人、メドレー氏が英首相、ヘッジファンドのソロス氏の意向に沿って日本に働き掛けたことになる。中川氏はどうか。上記の通り、中川氏の本音は現金自動支払機にならないぞ、だが、1000億ドルのIMF向け融資自体は「現金自動支払機」ではない、と思い直したのか。それとも、この1000億ドルは米国債購入など米金融市場そのものの救済ではない、IMFなら別だと割り切ったのか。本人が亡くなっている以上、確かめようがない。(おわり)
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